■エクソン・モービル(XOM)の2020年第4四半期決算発表
マークスです。
昨夜のNYダウはロビンフッターとヘッジファンドの攻防による市場不安が後退し、前日比$475.57高と巻き戻しの買いが優勢となり$30,687.48と3万ドル台をキープして取引を終えました。
GAFAMが全て過去最高益となり予想を上回る好決算が続いたことも追い風となっています。 さて、そんな中、XOMの20年第4四半期決算(←リンク張ってます)が発表されました。
売上・利益ともに予想を上回りましたが、未だ内容は悪いです。
売上高は465.4億ドルで予想の459.7億ドルを上回りましたが、前年同期比30.7%減と落ち込んでいます。
これは政府からの減産要求によるもので、コロナ禍での原油需要低下を受けた処置と特別損失が影響していますが、損失の主な内訳は天然ガス事業等で193億ドルの評価損とリストラ費用であるとされています。
当期純利益は200.7億ドルの巨額損失を計上し、一株当たり当期純利益は-$4.70に沈んでいます。
調整後EPSは$0.03で予想の$0.009を上回り、何とか黒字となっています。
継続した原油精製費用の削減と原油の回復傾向が寄与していると説明されています。
XOMは上流部門・下流部門・ケミカル部門に分かれています。
上流部門で扱う石油生産関連は、原油需要低迷による長引く価格低迷と米政府からの減産命令によって大きく落ち込んでいますが、今期決算期間は10月1日~12月31日となっており、この期間の原油価格は$50を下回っていますので、当然の結果と言えますし予想通りです。
XOMは原油採掘、精製などのコスト削減に取り組んでおり、今後は原油価格が$40以上であれば利益が見込めるとしていることから、コロナワクチン接種の浸透による経済活動正常化に伴う原油需要の回復とOPECプラスの大型減産の継続で売上高と共に利益の回復が期待出来ます。
ケミカル部門では、前期からの伸びが鈍化して横ばいとなっていますが、現状のXOMのポートフォリオでは影響は少なく、やはり上流部門の原油価格の影響が肝になりますね。
営業キャッシュフローについては48.89億ドルが計上されQ3より大幅に増加していますが、これは以前に発表された営業費用削減プログラムに基づくもので、設備投資の削減目標を上回った結果とされています。
株主からの経費削減の圧力がかなり強くなっていることもあり、経費削減で原油価格低迷に対応していることが見て取れますので、配当金についてはなんとか維持できるのではないかと推察されます。
今期発表で配当金維持が好感されて、株価も上昇傾向にありますので大底からの回復に期待が持てますね。
原油価格の日足チャートを眺めると、XOMの20Q4期間に一度も$50(赤横線)を上回っていないことが判ります。
XOMは現状$50を上回らないと利益が出せませんでしたが、これを採掘原価などの削減で$40(青横線)で利益が出るようにする方針を発表していますので、実現出来れば今後の利益回復が見込めると共に安定性の高まりも期待出来ます。
原油価格は上値を抑えられたトレンドから転換し堅調に上昇トレンドとなっており、経済正常化による需要回復とOPCプラスの大型減産が継続すれば数か月後までには$60に達しそうですね。
現在のRSI値は70.09と買われ過ぎになっていますので、一旦の調整を挟みながらの上昇トレンド継続となりそうです。
一方、XOMの日足チャートでは先月中旬に$50を超えてピークを付けた後に下落しています。
RSI値が70を超えると売られる傾向は変わっていませんが配当維持の発表で下値抵抗の50日移動平均線にタッチすることなく上昇に転じており上値を試す展開を期待したいところです。
結局のところ、XOMの命運は経済正常化に伴う原油価格の上昇に依存しています。
株価下落時にある程度買い増ししてしまったので、平均購買株価との乖離はまだ-22%弱あるもののポートフォリオ占有率は11.37%とトップの占有率ですので、配当が維持されているのは魅力ですがこのままホールドでキャピタルの回復を待ちたいと思います。
ではでは。
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