■昨夜のNYダウはリスクオフが顕著に
マークスです。
昨夜にNYダウはコロナウイルスのデルタ株による感染再拡大とワクチン接種速度の低下から経済回復速度が予想より鈍化するのではないかとの懸念から、安全資産への資金移動が大きくなって債券が買われて株式が売られる典型的なリスクオフとなりました。
債券価格の上昇により相対的に長期金利が低下したことによりドル安・円高へのトレンド転換も発生してドル円レートは110円を割り込んでいます。
また経済回復速度の鈍化懸念から原油需要の伸びも低下するとの思惑からWTI原油価格も急落し、執筆現在で1バレル当たり$70を割り込んで$60半ば台で推移しています。
コロナショックからの経済回復への楽観的な見通しから一転して不透明感が高まった感があります。
■IBMの2021年第2四半期決算発表
さてそんな市場引け後の米国時間17時にIBMの第2四半期の決算発表(←リンク張ってます)がありました。
内容は純利益が前年同期比2.6%減ではあったものの、売上高・1株当たり利益共に予想を上回りました。
売上高は予想182.9億に対し187.5億と予想を上回り、前年同期比では3.4%の増収となっています。
当期純利益は13.25億ドルと前年同期比で2.6%減と落ち込んでいますが、21Q1では18%超えの減益でしたので、改善傾向は継続しており見通しは明るいと言えます。
一株当たり純利益は$1.47で非GAAPベースでは$2.33と予想の$2.32を上回り、前年同期比で7%増となっています。
フリーキャッシュフローは前年同期から減少が見られますが、キンドリルの分社化手続き費用が嵩んでいることを踏まえると、数字ほどの減少はなく純利益の改善傾向が継続していますので心配するレベルではないと考えられます。
事実、今期決算発表時のコメントにもありますが6月に支払われた配当金は増配となっていますので、インカム狙いであればホールドしていて問題ないと考えられます。
IBMの日足チャートを眺めると、キンドリルの分社化発表以来、上昇トレンドとなっていましたが、今月2日にジム・ホワイトハース社長が退任することが発表されると、これが嫌気されて株価は急落し、一時5%の下落となりました。
決算発表前ということもあり$140前後で横ばいとなり、昨日のリスクオフで更に下落したものの時間外取引では堅調な決算結果を受けて反発に転じています。
リスクオフが後退すれば$150台を回復するかも知れませんので、今後の株価を注視したいところです。
決算結果をみるとレッドハットを傘下に収めて以来、クラウド関連事業が堅調に伸びていると共に収益性の悪いサービス部門を分社化したキンドリルを緩衝材としてアマゾンクラウドサービスを始めとした他企業の恩恵も享受できるビジネスモデルを構築しつつありますので、収益性の改善に期待が持てるようになっています。
コロナウイルスによる不透明感はまだ拭えず、株価については不安が残るところですが収益が堅調に伸びていれば株主還元である配当金は期待できますので、次期続きタイミングを見ながら買い増ししたい銘柄であると考えています。
ではでは。
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