【MCD】マークス、MCD(マクドナルド)の19年第4四半期決算を見る。

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・MCD(マクドナルド)の19年第4四半期(10月1日-12月31日)決算

マークスです。

昨夜29日のFOMC声明で消費、景気は緩やかに拡大しているとして政策金利を据え置きました。市場の予想通りと言え、マイクロソフト(MSFT)の好決算を背景に一時$200を超える上昇を見せていましたが、この声明を受け、値を消しました。

もしかすると、新型肺炎感染拡大が企業活動の足枷となる対応支援策として利下げを市場が織り込み始めていたのかも知れませんね。

さて、1月28日、マクドナルド(MCD)の19年第4四半期決算が発表されました。

日本でも馴染みの深いマクドナルド。いつものように、SBI証券の決算速報を見ると以下の通りです。

見出しには「マクドナルドの19年第4四半期純利益は11.1%増の2ケタ増益」の文字が躍っていました。

・売上高 53億4900万ドル(前年同期比 3.6%増)

・営業利益 22億9260万ドル(前年同期比 14.7%増)

・当期純利益 15億7220万ドル(前年同期比 11.1%増)

・1株当たり当期純利益 2.08ドル

この好決算を市場は好感し、株価は急伸し、終値は前日比+4.05$/+1.92%の214.22$で取引を終えています。

前回の決算発表以後、何かとトラブルの多かったマクドナルドですが、財務状況の数値を細かく追っても、長期目線で今後も買い増し、保有を続けるかどうかの判断には繋がりにくいと考えますので、トラブルの振り返りや、今後の成長戦略をどう進めているかに着目して備忘録を兼ねて書いてみたいと思います。

少し長文になりますので、マークスはどうするのかを先に知りたい向きは、次章は読み飛ばしていただければと思います。

イラスト

・マクドナルド(MCD)の戦略と今後について考えてみる。

マークスは好況時にパフォーマンスを発揮する銘柄としてMCDをポートフォリオに組み込んでいます。リーマンショック時、S&P500が50%の下落率となり、軒並み株価を大きく下げる企業が大多数の中、7%の下落に留まった実績があります。

現在でも、NYダウが大きく調整局面を迎えた場面でも、大きな株価下落は認められませんでした。

これは、フランチャイズ運営と商品の販売単価が高くないということが支えとなっていると考えられます。

販売が落ち込むことがあってもフランチャイズ契約店舗からの収益が得られること、販売単価が誰でも気軽に買える価格帯であることで、不況下にあってもハンバーガーを買わないという節約行動には繋がりにくいからです。

故に本来、好況時にパフォーマンスを発揮する一般消費財セクターでありながら、不況下でも強い銘柄で、安心感がありますね。

しかし、昨年はMCDにとって悪材料が続いた受難の年であったとも言えます。

第3四半期決算がアナリスト予想を下回り冴えない結果を嫌気した投資家が売りに走って株価は下落。

一息ついたと思った矢先に、それまで戦略的な成功をおさめてきたイースターブルックCEOが社内の不適切な関係を指摘され辞任に追い込まれ、後任には米国MCD社長であったクリス・ケンプチンスキー氏が就任する運びとなりました。

更に、ミシガン州の同社従業員が「MCDは管理職へのセクハラ教育を怠っており、従業員へのセクハラ横行を招き、苦情を申し立てた従業員への報復を行っている」として集団訴訟を起こされています。

訴訟では、前CEOの解任劇を例に挙げ、経営トップからして有害な職場風土を作り出し、それを容認していると主張しました。

この一連の騒動を受け、8月の高値から15%程度も下落し、一時、株価は190$を割り込む事態となりました。

一方で、イースターブルック前CEOの戦略によりイノベーションを促進するハイテク企業への一面も思わせる、面白い結果も目にしています。

これはAI導入によるドライブスルーの対応速度を上げる試みや、ロボット利用によるポテトやナゲットを揚げるロボットを導入して顧客体験を向上と、従業員削減による全体的なコスト削減を目指すもので、昨年9月には、AI企業で多言語での音声注文を自動化する会話エージェントを開発したApprenteを買収するなどテクノロジーへの投資を行うことで、成果を上げています。過去にも機械学習AI企業のDynamic Yieldの買収を行ったり、モバイルアプリ開発企業への出資等で急速に成果を上げていることから、この分野への投資により永続的な利益を上げることが期待されます。相手がロボットであれば、セクハラは起きようもありませんしね。

また、昨年末には、ここ数年続いていたフランチャイズ加盟店で起きたとされる労働法違反についての訴訟で、その親会社であるMCDにはフランチャイズ加盟店の従業員に直接監督しているという強固な証拠が無い限り、共同雇用主としての直接的な責任は無いと示唆される判決がおりました。

MCDにとっての収益基盤であるフランチャイズ態勢の根幹に関わる訴訟であったので、同社にとっては救いとなりました。

CEO電撃交代がありましたが、後任のケンプチンスキーは、マクドナルドの世界的な成長戦略の実行で手腕を発揮しており、直近では米国内の店舗変革を主導しています。堅調な業績基盤を支えてきた経営陣も残っており、実績に裏付けられた戦略も大きく転換しないことから、今後も増収増益を加速させて自社株買いや配当による株主還元を続けてくれると期待出来ます。

・マークスのMCDへの投資方針

今回の決算、売上高は市場予想53憶ドルに対して上回り、一株当たり利益も予想を上回る、素晴らしい決算結果でCEO交代による業績悪化懸念は払拭されたと考えて良いでしょう。しかし、スターバックスが新型肺炎騒動で先行き見通しを引き下げると株価下落を招いており、MCD販売にも影響が出るのは否めないところで、次回決算が注目されるところです。

しかし、米国MCDの店舗は95%超えがフランチャイズであり、販売低下による収益への影響が出にくいビジネスモデルとなっているため、一時的な調整が入ったとしても引き続き堅調であろうと予想されます。

因みにスターバックスは直営店舗がほとんどであるため、今回の騒動は直接的に減収減益に繋がります。

5年後には株価$300~$400$のレンジになるとのアナリスト予想もあり、好況・不況を問わず成長を継続する企業であろうと考えられる、抜群の安定感を誇るMCDは、引き続きマークスのポートフォリオに名を連ねることになると思います。

ではでは。

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