■先週末のNYダウ市況
新型コロナウイルス感染拡大が世界中に広がる中、非農業部門雇用者指数・失業率等の重要経済指標が発表され、いずれも堅調な結果でしたが、この結果に関わる時期は2月であり「コロナショック」の影響を受けていないことから、NYダウは$256.52となる下げ幅を記録し、$25,864.78で取引を終えました。
市場引け直前には下げ幅を戻す展開も見られたことから、値ごろ感の出た優良企業株へ押し目買いが入ったのではと見られています。
■ターゲット(TGT)の19年第4四半期決算
さて、NYダウの乱高下、スーパーチューズデイ当日の3月3日にTGTの19年第4四半期の決算が発表されました。
内容は芳しくありませんでした。
SBI証券の決算速報結果は以下の通りです。
売上高 233億9800万ドル(前年同期比 1.8%増)
営業利益 11億9800万ドル(前年同期比 7.3%増)
当期純利益 8億3400万ドル(前年同期比 4.4%増)
1株当たり当期純利益 1.63ドル
この結果をみると前年同期比からは増収増益となっていますが、株価に反映される、アナリスト予想との比較を行うと微増となる売り上げ高が、事前の奮わなかった年末商戦発表を受け、予想を235憶ドルに引き下げていたにも関わらず結果は下回っています。
TGTの発表では通期利益見通しも引き下げられ、これも予想を下回りました。
この引き下げ理由として、これまでの好決算を牽引していたオンライン販売が鈍化したこととされています。
これは先月発表された全米トップ小売店舗のウォルマート(WMT)でも同様でしたので、消費者行動に変化があったのかも知れません。
「コロナショック」で外出を控えるようになる消費者行動変化が、今後これにどのような影響を与えるかは注目したいと思います。
日足チャートの直近の値動きを見ると、一時的に200日移動平均線を割り込んではいるものの、これが抵抗線になっており、攻防が続いている感じですね。
好況な景気局面でパフォーマンスを発揮する小売りセクターの属するTGTですが、冴えない決算結果というよりは「コロナショック」での株価下落が顕著ですね。新型コロナウイルス感染拡大懸念が広がる今の場面で、よく検討していると見れますが、終息の向かった時の株価回復に出遅れがないか注目したいところです。
次に週足チャートを確認すると、新型ウイルス渦中にあっても50日移動平均線を割り込むことなく株価推移しています。直近の下値は$100数十セントで、50日移動平均では$99.97ですので、これを割り込むかどうかが、上昇下落の分かれ目になりそうですね。
緑〇がマークスの購買タイミングです。昨年8月の好決算、11月に更に一段高となる好決算の発表後は、冴えない年末商戦結果を受け、じりじりと下落し、現在に至っています。
■ターゲット(TGT)銘柄選定の理由
マークスがなぜ業界最優良企業ウォルマートではなく、ターゲットを選定したのか、米国株個人投資家の方は疑問に思わているかも知れません。
そもそもこの銘柄は中国での収益を主としていた素材セクターの雄MMM(スリーエム)からの乗り換えで買い始めた銘柄です。当時、米中貿易戦争が勃発し、大幅に業績を落としたMMMのボラティリティの高さに辟易していたマークス。これに代わる景気好況サイクルでの銘柄として小売り業のWMTとTGTをピックアップし、自分なりに分析の上、TGTに決めた経緯があります。
理由は①後数年で50年の連続増配記録の配当王となる配当貴族である。②WMTに比べて利回りが良い。③WMTに比べて当時$70台であり買い増しによる株数を増やしやすい、といったことが主な理由です。
③については当時、カナダ進出に流通システム構築の失敗と商品棚サイズ規格の違いによる失敗(カナダはメートル法、米国はフィートを使用)の2つの失敗で巨額の損失を出し、株価低迷を招き割安であったことも挙げられます。
しかし、現在はデジタルへの投資と、大々的な店舗改装と主力商品である生鮮食品の高品質化を図ることでV字回復を果たしています。これが昨年8,11月の株価大幅上昇に繋がっています。
マークスとしては、この大幅な株価の伸びは嬉しい反面、ポートフォリオ組込み当初より株数を増やしにくくなってしまったので、少し贅沢な悩みの種になっています。
ただ、依然、理由①と②のWMTに対するアドバンテージはあるので、WMTに乗り換えることは無いと考えており、継続で買い増ししていきます。
ではでは。
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