【米大規模景気刺激策】マークス、米国コロナショックへの大規模景気刺激策について考える。

投資戦略
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■NY株式市場動向

マークスです。

昨夜のNYダウはトランプ米大統領とムニューシン財務長官の「国民への現金給付」を含む大規模景気刺激策を検討していることを発表し、市場はこれを好感、前日比$1,049高と大幅に反発しました。

もっとも、一昨日に$3,000近い下落があったこともあり、何が大幅なのか基準が見えなくなっていますが・・。

この景気刺激策はコロナウイルス感染拡大抑止のために、トランプ大統領から、米国内の一部地域に旅行制限を設ける可能性も排除しないとし、「居間で時間を楽しむよう」国民に促したことに対し、生活防衛資金(貯蓄額)が少ない一般的な米国家庭を救済する手立てとしていると考えられます。

また、ムニューシン財務長官は、個人は最大100万ドル、企業は最大1,000万ドルの税金納付を無利息かつ罰則なしで90日間延期することを可能にする方針を示しています。

しかし、この対策にかかる財政支出は1兆ドルが見込まれており、今後、コロナショックが終息した段階で、どう回収を行うかの提案が議会承認のカギとなりそうです。議会承認が得られなければ実現しないということですね。

一方、こちらも大幅な価格下落が続いている原油価格は遂に2016年以来となる1バレル当たり$30を割り込み、コロナショックによる経済成長減速とそれに伴う原油需要低迷懸念が浮き彫りとなりました。

昨夜のNYダウ上昇を受け、VIX指数(恐怖指数)の終値は75.91まで後退しましたが、依然として高い数値となっており、株価乱高下はまだまだ続く見通しとなりそうですね。

■NY株式市場の行方は?

コロナショックと原油大幅安のダブルバッドニュースの影に隠れ、本来であれば一番のニュースになるはずだった米大統領選挙の行方にも影響が出ています。

10人以上の集会を制限する感染拡大抑制対策によって、トランプ現大統領の対抗馬となる民主党候補のサンダース氏には逆風となり、経験豊富で中道派であるバイデン候補に、この経済混乱の解決を期待する気運が有権者に高まっているとされており、フロリダ州とイリノイ州でサンダース候補勝利を確実にした他、アリゾナ州でもトップに立っていて、この州を制すると左派ではジョー・バイデン候補が有力であるとされています。

現職のトランプ大統領は、歴史的な失業率の低さと好調な企業業績を背景とした、強い経済成長に裏付けされた株高を実績として強調し、再選を目指していましたが、ここに来てコロナショックへの対応の悪さと共に、これも歴史的な株価暴落に、選挙戦を戦うカードが無くなりつつあり、所謂「ばらまき政策」によって当面の難局を乗り切ろうとしているように見えます。 新型コロナウイルスワクチン開発には、昨日の記事 でも書きましたが1年~1年半かかることから、11月の大統領選挙には間に合わない公算が高く、厳しい戦いになることが予想されます。

そもそも「ばらまき政策」は思想としては社会主義よりであることから、有権者にとっては中道派であるバイデン候補の「安定感」の強さが有利に働くと思われます。今後の選挙戦動向も注目して行きたいところです。

中期的なスパンである5年週足チャートを見ると、2016年から概ね緑線のレンジで推移しているのが確認できます。直近のNYダウの安値は中央上部の赤四角で囲んでいる$19,882.26となっています。

緑線レンジの下の線では、約$25,900近辺ですが、以前のように力強い株価上昇の波を形成するには、200日移動平均線を超えて、この緑線レンジ内に入らないと安定しないと考えられるので、現状では乖離が大きく、回復には相応に時間が掛かりそう、と考えていた方が良さそうですね。

しかし、コロナショックが終息し、経済が回復基調に戻るとそれまで押さえつけれていた米国民の旺盛な購買意欲が反動で爆発し、今回の危機を乗り切った企業が商品を増産するような流れになると一気に在庫が底をついて需給バランスが崩れ、インフレが急激に進む可能性が高くなりそうです。

このインフレ発生に拍車をかけることになるのが、市場流動性を確保するために行っているFRBの市場への資金供給と企業活動支援のためのゼロ金利政策です。

今回のばらまき政策とあいまって、市場に現金が大量に流れる「金余り状況」の発生となり、株式市場にこの莫大な資金が流れ込むとバブルとなり、急激なインフレを抑制するためにFRBが利上げに舵を切ると、それを機会にバブルが弾けるといったストーリーが思い浮かびます。

マークスの愛読書の一つである「市場サイクルを極める」には、『投資家は驚異的なスピードで痛みを忘れる。』と述べられており、2000年のITバブル崩壊でIT不況の痛みを数年に渡って被ることになった投資家が、その後、今度は2007年のリーマンショックへ向けて「今度こそ暴落は起きない」として突き進んだ事例を挙げて、その論拠として綴っています。

暴落は概ね10年に一度と言われていますが、今回のコロナショックは感染症に起因する経済失速ですので、なおさら痛みを忘れるのは早いかも知れません。

今は底の見えない暴落局面であり、大きな含み損を抱えていると、まさに一日千秋の思いで回復を待つことになりますが、株価低迷期間は「積み立て投資」と相性がとても良いと考えられますので、安定した営業キャッシュフローの創出を可能とし、株主還元へ積極的な優良企業に投資し続けることは、資産形成を行う上でチャンスと言えます。

マークスは「石の上にも三年」の諺にならって、地道に積み立て投資を続けて行きたいと考えています。

ではでは。

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