■昨夜のNYダウ大幅下落主因
昨夜、トランプ米大統領は『国防生産法』の発動を宣言し、投資家はこれを嫌気、今月4度目となるサーキットブレーカー(CB)の発動となるまで株式はボコボコに売られ、キャッシュポジションを最優先とした行動が目立ちました。
国防生産法とは、簡単に言えば「民間企業の一時国有化」を行うことが出来るとしたもので、大統領が民間企業に資金・助成金・生産計画を決定できるという内容で、一時的にですが民間企業が国有化されたことを意味します。
しかし、この法律の趣旨は「米国国土の安全を維持するために米国産業基盤から資源供給を促進、拡大させる」ことであり、どの企業にもこの法律の適用を受ける訳ではなく、趣旨から外れる内容であれば米議会から訴訟が起きることもありますので、無謀なことは出来ないと考えられます。
トランプ大統領は記者会見で「最悪の事態に備え、現在よりもさらに多くの人工呼吸器などが必要になるかもしれない」として、人工呼吸器や医療用マスクや手袋などを生産する民間企業に増産を要請することを示唆していることから、新型コロナウイルス感染拡大抑止に関連する企業への抑制や、外出禁止に伴う生活必需品関連の増産要請等に絞られてくると考えられます。
昨夜のNYダウの大幅下落の主因は、これに反応した投資家が売り始め、下落につれて信用買いをしていた投資家が追証に迫られてキャッシュの確保に奔走、売りが加速して下落が加速したと考えるのが自然でしょうね。
事実、CB発動に至るほどの急落で、軒並み株価下落を記録する中で生活必需品セクターの雄、プロクター&ギャンブル(PG)は前日比でもあまり下げていませんし、小売りセクターの代表格のウォルマートは、逆に値を上げています。これについては、外出を控えるために買い占めが起こっていることも影響が大きそうです。マークス保有小売り銘柄のターゲット(TGT)もNYダウ下落率-6.30%に比べて-0.78%の下落に留まっています。
NYダウは昨夜、前日比$1,338安の$19,898.92となり約3年ぶりに2万ドルを割り込みました。
コロナウイルス感染拡大に対し、軽視するような姿勢を転換して、対策に本気で向き合うようになったトランプ大統領の今後の采配で、大統領再選への影響は大きくなるので、どのようなカードで経済対策を行うのか注目したいですね。
■マークス、保有銘柄企業動向を考える。
ここのところ毎日$1,000超える値動きをしているNYダウですが、主力が個別株のマークスは、一昨日を境に銘柄・セクター毎に値動きの違いが大きくなってきたと感じてます。
この感覚はインデックス投資では掴みにくい部分かも知れず、難しい部分でもあり、面白い部分でもあります。
VIX指数が80台に乗ったときは、文字通り見境なしに売られていて、殆どの銘柄が大きく下げていましたが、外出を控える部分の補填としての財政動員、国防生産法発動による必要物資の生産と確保といった具体的な新型コロナウイルス感染拡大抑止対策への反応として、保有銘柄で気になる部分を纏めてみようと思います。
・プロクター&ギャンブル(PG)
こちらは前述の通り、洗剤や髭剃り、化粧品等の生活必需品セクターですので、国防生産法の適用を受けるだろうと考えられます。外出禁止に伴う買い占めの影響もあり増産対応を行うと予想され増収増益に繋がると思われることから株価が下落しにくいのではないでしょうか。急落に吊られたオーバーシュートの下値を狙って指値発注していますが、大きく乖離して高値圏に行きました。とりあえずはこのまま様子見です。
・コカ・コーラ(KO)
ここに来て意外に値を下げて買い得感のある株価となっています。これも外出禁止に伴う買い占めで売り上げが伸びると予想されます。昨夜のチャートを見ると引けにかけて大きく値を戻しているので、当たらずとも遠からずであると考えらえます。終値$44.85での利回りは3.48%と魅力的です。ポートフォリオのバランスを見ながら買い増したいですね。
・マクドナルド(MCD)
暴落開始直後から、買い増し続けて来ましたが。いや売られ過ぎっだと思います。店舗での販売を休止しているとは言え、ドライブスルーは稼働しているのですから、株価下落率ほど減収減益になるとは考えにくいと思います。
少し前だと考えらえない超割安価格なので資金が溜まれば、まだまだ買い向かいたいです。
・フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)
新型コロナウイルス起因の新型肺炎重症化に喫煙が影響しているとの報道があったので、もっと早く株価下落に繋がるかと思っていましたが、ここに来て下げています。NISA枠だとほぼ非課税で配当収入が得られますので、平均購買株価を下げる意味でもPGに次いでの買い増し候補です。月一購入ではMCDと迷うところです。
・ベライゾン・コミュニケーション(VZ)
外出禁止に向けて、トランプ大統領が「居間で過ごすことを推奨する」と発言していることから家庭でのネット映像配信に消費者行動の変化が加速すると考えらえ「ディズニープラス」と提携しているVZには追い風になると考えられます。株価も回復傾向であることから、昨夜株価を反映したポートフォリオ占有率ではトップの12.28%とトップになっています。平均購買株価からはマイナスですが他の銘柄の買い増しや株価上昇に至るまでは様子見です。
株価変動により、ポートフォリオのバラツキが大きくなっていますので、まだ続きそうな乱高下に振り回されないように月一購買していきたいと思います。
ではでは。
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