【保有銘柄決算】マークス、保有銘柄の継続保有の要否を確認する。(後編)

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■【KO・XOM・TGT・MCD・PM・VZ】の営業キャッシュフロー推移

昨夜24日のNYダウは軟調な先週と打って変わって大幅上昇となり、前日比$378.13高の$28,308.46で引け、節目の$28,000を半年ぶりに終値で超えています。

ハイテク株で構成されるナスダックも史上最高値を更新するなど楽観的ムードの強まりを見せていますが、NYダウのRSI値は70を僅かながら超えていますので、近々に調整が入りそうです。

さて、では前編のIBM・WFC・ABBV・JNJ・PGに続き、KO・XOM・TGT・MCD・PM・VZの6銘柄について、営業CFとそのマージンを見ていきたいと思います。

コカ・コーラ(KO)

KOはJNJと同じく今年58年連続増配の配当王で、ダウ構成銘柄です。

世界中で愛されているドリンクメーカーで、「オハマの賢人」ウォーレン・バフェットのお気に入り銘柄としても有名ですが、健康志向の高まりから主力であったコカ・コーラの売上が低下傾向にありますが、ノンアルコール飲料の種類を増やすなどで対応しています。 この多種類に渡る飲料展開により、レストランなどでは、KOに発注すれば補充を含めて一括管理が可能となることが事業の強みの一つとなっています。

直近10年では2012年をピークとして売上高が減少していましたが、新商品の投入や効率が悪化したボトリング事業再編などのテコ入れによって盛り返しを見せており、収益改善に繋がっています。

2010年に純利益が営業CFを上回っていますが、その後は営業CFが純利益を上回っていますので、粉飾決算懸念は無いと判断できると考えられます。

営業CFマージンは、これもJNJと同じく10年間で一度も20%を割り込むことなく推移しており、20年第2四半期時点では38.96%となっいますので盤石と言えます。

コロナ禍にあって、スポーツイベントや観劇中止に起因する売上高低下が懸念材料ではありますが、遅くとも来年中にはコロナ前に回復するであろうと推察されますので、中長期保有には適していると言えます。

現状、株価回復に遅れが見られますので、買い増し時期としては好機であると思います。

エクソン・モービル(XOM)

XOMは37年連続増配銘柄でしたが、歴史的な原油安の煽りを受けて業績が悪化。

株主配当を重視する同社は減配をよしとせず、第3四半期までは配当を維持すると発表した他、向こう一年は減配しないとも公表しています。 ダウ構成銘柄でもありましたが、アップルの株式4分割の影響が考慮された銘柄入れ替えにより構成銘柄から外れました。

売上高は2013年頃までは堅調でしたが、以降は減少して2016年までに大きく減少しており純利益の落ち込みも大きくなっています。

営業CFマージンも昨年は平均を下回り、今年はコロナパンデミックにより原油需要が低迷したことが更に重しとなって、初の赤字に沈むなど経営基盤に懸念が出ている結果となっています。

今年第2四半期までの営業CFマージンは19.44%ですが、原油安が継続すると昨年よりかなり悪化すると予想されます。

経営陣からは、これは一時的なものであり原油採掘コスト削減技術の導入と経済活動再開による原油需要回復によって業績も改善すると、強気な姿勢を崩していませんが相当厳しい状況であると言えます。

買い増しによって平均購買株価を下げつつ、損切を覚悟しながら年内は経過観察を続けようと思います。

ターゲット(TGT)

日本ではあまり馴染みがありませんが同業態ではダウ構成銘柄のウォルマートがメジャーですが、米国内ではメジャーブランドであり、連続増配が今年で49年となった小売業を生業とする配当貴族企業です。

コロナ禍にあっても注力を続けていたEC部門(いわゆる通販)が堅調に伸びており、来年の増配で配当王に輝くのはほぼ確実ではないかと期待しています。

過去10年を振り返ると売上高は凸凹しながらも右肩上がりの成長を見せており、近年は利益率の高い自社ブランドのアパレル部門が好調であることを背景に純利益も伸びています。

営業CF、マージン共に同様な成長を確認できることから、米国株式企業平均を下回っていますが将来性に期待できる企業であると言えます。

20年第2四半期決算ではコンセンサスを倍以上に上回るEPSを発表し、株価は一晩で一気に12%以上も暴騰、史上最高値を更新して2段高になっている感じですがRSI値は70超えに至っており、買われ過ぎを示唆しています。

半期を終えた現時点での営業CFマージンは3.97%となっており、昨年の米国株平均実績を大きく下回っていますが、コロナ感染症の影響から力強く回復していますので将来の期待を持ちながら、買い増ししつつ保有し続けたい銘柄です。

マクドナルド(MCD)

KOと並んで、世界中で愛されるMCDは44年連続増配を行っており、ダウ構成銘柄です。

フランチャイズ制での「のれん代」で収益を上げるビジネスモデルを構築し、安定した売上高と収益を上げる企業構造となっていますので、安定したキャッシュフロー創出を実現しています。

ただ、これもKOと同じく健康志向の高まりによりファーストフード離れが消費者に広がる中で売上高は徐々に減少傾向にあり、朝食新メニューや健康志向に寄せた新商品の提供により売上減少に歯止めをかけるべく対策を打ち出し、そのビジネスモデルから純利益は堅調に伸びており営業CF増大と同マージンの拡大に繋がって、昨年は38.53%と盤石な経営基盤を維持しています。

しかし、コロナパンデミックによる外出規制の影響は大きく、2四半期連続で冴えない決算発表となりました。

第2四半期決算発表では巣ごもりによる料理に飽きた家庭がテイクアウトで購入している傾向があり、経済活動再開によって、店舗売上も回復傾向であると明るい見通しが示されたことで、ここ最近の株価はコロナ前の水準を回復しています。

長引く外出規制によって閉鎖に追い込まれた店舗もあることから、今後の回復基調を見守りたいと考えています。

第2四半期決算発表時点での営業CFマージンは30.12%となっており、現状での懸念ななさそうです。

フィリップモリス・インターナショナル(PM)

PMはアリトリアグループからスピンオフした喫煙による健康被害訴訟リスクを分散するために「米国外」でのたばこ販売を行う企業です。

健康志向の高まりから先進諸国を筆頭に世界的に喫煙者が減少する中で、電子加熱式タバコのアイコスの販売を始めて売上高と利益確保に努めており、直近の決算発表でもアイコスへの消費者以降へ成功している結果となっています。

売上高の推移を眺めても、この状況は顕著に表れており、2017年以降は減少から増加へ転換しています。

好調なアイコスの販売を受けて純利益も改善傾向となっていることから、営業CFは拡大し、同マージンも増加しており、過去10年では概ね30%以上の営業CFマージンが確保されています。

半期が経過した現時点での営業CFマージンは60.68%で、コロナ禍にあっても過去とあまり変わらない盤石な経営基盤となっています。

また、高配当銘柄であることも知られている他、英国籍であることから配当金の米国での課税額が返還されることも特徴的であり、NISAなどの非課税口座を利用すれば、ほぼ配当金を無傷で手に入れることが可能となるのは魅力です。

加熱式タバコへの転換により消費者取り込みに成功しており、盤石な経営基盤と魅力的な高配当銘柄なので、引き続きの買い増しと保有を継続したいと考えています。

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)

VZは通信セクターに属するダウ構成銘柄で競合としてはAT&Tが、よく引き合いに出されます。

今年3月に軒並み株価が暴落する中で、下落耐性が注目された銘柄でもあり、安定性に好感が持てる企業です。

ただ、好況時には不人気でありキャピタルゲインを狙うには適さない銘柄でもあります。

中長期投資であれば暴落局面はいずれ必ず起こり得ますので、メンタル保持のためにポートフォリオに加えておきたいところです。

近年のインターネット環境のインフラ化に伴って、売上高は右肩上がりに拡大しており、純利益も増加傾向にありますが、5Gへの設備投資などの費用は継続して嵩むものなので営業CF推移の確認は重要となります。

過去10年間を眺めると、営業CFは売上高に倣った動きをしており、同マージンは平均25%以上と安定的に推移しており堅調な経営基盤が確認出来ます。

半期を過ぎた現時点での営業CFマージンは77.35%と余裕の数値となっています。

AT&Tには届きませんが高配当銘柄でもあり、マークスの投資スタイルに合致した銘柄の一つです。

引き続きの買い増しと保有を継続していきたいです。

■保有銘柄の営業CF推移まとめ

3月の暴落から急激に回復しGAFAM銘柄を初めとしたハイテク銘柄の急騰に牽引され、史上最短となる弱気相場は終焉を迎えました。

NYダウ銘柄では特に株式分割を行うことを発表してからの、アップル(AAPL)の伸びは凄まじいものが感じられます。

APPLの株式分割は4分割になるとされていますが、本日25日までに株主登録されていれば、保有1株当たりに4株が交付されるとしており、既存株主には1株あたり5株が割り当てられることになっていますので、事実上20%程度、安い株価で分割後の株を取得できることがこの高騰の理由です。

そんな市場の楽観的な見方の中では雰囲気に呑まれて自分の投資スタイルを崩すと、初めて2年しか経過していない未熟な技量のマークスは市場に食い物にされる懸念があり、改めて保有銘柄に経営基盤を確認しようと考え今回に至っています。

保有銘柄11種ではWFCは売却すると決めており、ダウ構成銘柄から外れたXOMについては原油安に加えて、まさに泣きっ面にハチの状態となっていることから、経営基盤が揺らぐ懸念もあり、継続保有には疑問符が付く結果となっています。

反対に、営業CFマージンは市場平均を下回っているものの、ここ数年の成長著しいTGTは、キャピタル、インカムゲイン共に期待できるフラッグシップ銘柄となっています。

コカ・コーラ(KO)とマクドナルド(MCD)については現状として、未だ強いキャッシュを保持しており、コロナ禍のダメージからの回復に向けた動向を注視していきたいと思います。

ヘルスケアセクターのABBVやJNJについては、訴訟リスクはあるものの盤石なキャッシュから莫大な研究開発費を捻出可能であることから、今後も良いパフォーマンスを示してくれそうです。

PGは生活必需品セクターの雄として68年連続増配記録を更に伸ばすと考えられる盤石な経営基盤ですので、今後も堅調に成長を続けると予想される優良銘柄として保有し続けたいと考えています。

オワコン扱いされることが少なからずあるPMについては何といっても消費者の囲い込みからくるキャッシュの安定性と税金優遇からくる手取り配当金の多さが魅力で配当再投資での資産形成に寄与するとともに、将来的に生活を支えてくれる高配当銘柄として保有を継続します。

VZはその株価下落耐性とキャッシュの安定に起因する配当金が魅力であり、安心感を持って保有できる銘柄です。

総じてWFCとXOM以外は継続保有に懸念のない銘柄として資産形成に寄与してくれると考えていますので、XOMを入れ替える可能性を含んで、もう1銘柄くらいはポートフォリオに組み入れる候補を検討したいと思っています。

マークス投資戦略においては配当金は重要な要素ですので、保有銘柄の配当性向についても詳細を確認したいと考えています。

ではでは。

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