■ジョンソン&ジョンソン(JNJ)2020年第4四半期決算 (9月28日~1月3日)発表
マークスです。
昨夜のNYダウは前日比$22.96安の$30,937.04と小幅安で取引を終えています。
ここのところ、大規模財政出動政策の早期実現期待の後退と決算シーズンを迎えて様子見ムードとなっていますが、一方でロビンフッターの動きが激しさを増しており、株単価の低い銘柄に集中して資金が集まる、俗に言う「イナゴ」の力が増大して機関投資家も無視できないほどになっています。
今迄はこのイナゴは機関投資家によって焼き払われていたのですが、その数の多さから逆に食われることもあるようです。 さてそんな中、26日のNY市場開場前にJNJの20年第4四半期決算発表(←リンク張ってます)がありました。
内容は良かったです。
売上高は予想216.9億ドルに対し224.8億ドルで予想を上回っており前年同期比+8.7%と堅調に増加。
純利益は前年同期が40.10憶ドルに対して17.38億ドルとなり-56.7%の大幅減益となっています。
調整後EPS予想$1.83に対して$1.86と予想を上回っており、前年同期比では-1.1%と微減となっています。
JNJは大きく3部門での事業展開を行っており、美容・オーラルケア・ベビーケア用品などの個人向けヘルスケア用品販売部門とCOVID-19ワクチンや抗がん剤などを開発・販売する製薬部門、及びコンタクトレンズ販売や手術用機器などを扱うメディカルデバイス部門となっています。
前年同期比で部面別の売上高を眺めると、個人向けヘルスケアが+1.4%、製薬部門は+16.3%となっており、メディカルデバイス部門は-0.7%と売上微減にはなっていますがコロナが終息に向かって機器承認の滞りが正常化すると回復が期待出来ます。
個人向けヘルスケア販売部門は、ウイズコロナ環境下でオーラルケアのリステリン等が売上を伸ばす他、外出規制緩和に伴ってスキンケア、ビューティー製品も回復傾向にあります。
主力の製薬部門では、乾癬治療薬「ステララ」や抗がん剤「ダルザレックス」が2桁の伸びを示し、特にダルザレックスは第2四半期以降、大きく伸びておりブロックバスターへの成長が期待出来る薬品となっています。
メディカルデバイス部門については、コロナ感染再拡大や多くのスポーツがオフシーズンになったことの影響やコンタクトレンズが外出規制再開によりQ3より売上減となり、コロナ感染再拡大の影響を色濃く受けています。
この部門の回復にはコロナ収束が不可欠ですね。
しかしJNJの事業のポートフォリオのほぼ半分を占める製薬部門は堅調であることから、業績悪化を懸念する状態では無さそうです。
今年度の通期見通しについては、コロナ収束を反映したものとなっていますが、JNJはGAAPに準拠しての発表であり、先行きに対しては警戒しているとしています。
とはいえ、ガイダンスの数字を見る限り、業績には楽観的に感じられ期待の持てる見通しです。
JNJの日足チャートを眺めると、昨夜は大きく窓を開けて上昇し52週高値を更新しています。
RSI値は一気に79.65に跳ね上がっていますが、これは決算で売上高・利益共に予想を上回ったことよりも、来週初めにコロナワクチンの治験データを報告すると発表したことへの期待感からの上昇であると推察されます
これは先行で承認されたファイザーやモデルナのワクチン共有遅延の他、この2社のワクチン接種が2回必要なのに対し1回で済むことやワクチン供給契約をしている国への供給目標も達成見込みであるとされていることによります。
JNJはかねてからコロナワクチンに利益を載せない価格で供給するとしていたことから、来年度見通しにこのワクチンの影響は含んでいないとも発表しています。
株価についてはRSI値が買われ過ぎを示していますので、少なくとも今回上昇で開けた窓を埋めてからが買い増しタイミングとなりそうです。
ではでは。
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