【IBM決算】マークス、インターナショナル・ビジネスマシーンズ(IBM)の2020年第1四半期決算を確認する。

米国株
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■原油価格史上初となる一時マイナス価格

マークスです。

原油先物は米クッシングの原油貯蔵施設が間もなく満杯になるとの予想から、買い手不在となり一時、市場初となるマイナス圏価格に暴落しました。これを嫌気した市場には売り圧力が高まり、昨夜のNYダウは前日比$592.05安となる$23,650.44で引けました。

原油価格がマイナスになる歴史的な急落を受けて、トランプ米大統領は政府として戦略石油備蓄を最大7500万バレル積み増す方針を発表しています。

新型コロナウイルス感染拡大に起因する経済活動停止の影響で原油需要も停止状態に近くなっており、備蓄設備が満杯になると海運タンカーが荷下ろし出来ない状況で拘束されることでコストがかかり、結果として原油購入価格を上回ってしまい価格はマイナスに陥る事態となっています。

この状態が解消されるには原油需要が発生しなければなりませんが、感染症対策が奏功し、ワクチンが開発されるまで、需要回復は期待出来ませんので、少なくとも数か月以上は備蓄消費が精一杯になるのではないでしょうか。

シェールオイルを扱う石油関連企業にとっては淘汰の時代となりそうです。

■IBMの2020年第1四半期決算発表

そんな中、IBMの第1四半期決算発表がありました。

内容はまちまちでコロナショックの影響の不透明感から通期見通しは撤回されましたが、配当は維持されるとのことで、ホルダーにとってはまずは一安心ですね。

総売上高は3.4%減で175憶7000万ドルとなり、予想の176憶2000万ドルを少し下回りました。

純利益は11憶8000万ドルでEPSは$1.31となり、前年同期比の15憶9000万ドルでEPSの$1.78を大きく下回りました。しかし、調整後EPSは$1.84で予想の$1.80を上回っています。

部面別ではクラウド収益が19年第4四半期の素晴らしい伸びには劣るものの、総収益は54億ドルとなり19%増加しました。これは、レッドハット買収による効果とクラウド部門を率いていた、ロメッティCEOの采配によるところが大きいと思われます。

過去12か月間でのクラウド収益は220億ドルで13%増加し、傘下となったRed Hatの収益については18%増となっていると示されています。

IBMの決算プレスリリースの冒頭には「新型コロナウイルス感染拡大によるクライアントへの差し迫った業務遂行課題に対し、ハイブリッドクラウドにシフトしAIの使用を拡大することによって支援する」とされており、IBMの持つAIである「ワトソン」が活躍の場を広げていることを示唆しています。

一方、既存のビジネスモデルであるシステム関連については3%増、グローバルビジネスサービスについては増減なしと冴えない結果となっています。

ただ、業績の奮わない部門の縮小・売却を進めていることもあり、粗利益率は410ベーシスポイント上昇しているとされており、配当は維持することとしていますので、キャピタルゲインにはあまり期待しにくいですが、インカムゲインについては、安定して配当金を株主還元してくれそうです。

IBMの日足チャートを眺めると、このところのNYダウと同じく上昇していますが、歴史的な原油価格急落で景気後退懸念が強まっていることと、まちまちな決算結果を受けて50日移動平均線を上にブレイクアウトするのは厳しい状況ですね。

コロナショックの最中で、配当を維持出来ていることを考えると株価が下落したとしても、悲観的になることはないと言えるでしょう。辛抱強く持ち続けて「永遠の不発弾」が爆発する時期を待ちたいと思います。

ではでは。

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