■昨夜のNY市場
マークスです。
昨日、トランプ米大統領からコロナパンデミックの原因が中国にあるとし、対中関税の発動も辞さないとする発言から、市場はこれを嫌気しNYダウは続落。前日比$622.03と大幅安となる$23,723.69となり、$24,000を割り込んで取引を終えました。
また経済指標ではISM製造景気指数41.5と前月比-7.6ポイントと悪化し09年4月以来の低水準となったことも投資家心理悪化に拍車をかけ、VIX指数は37.19と30台後半まで上昇しました。
一方、OPECプラスで合意された原油協調減産が開始されると共に、シェブロンやエクソンモービルが大幅減産を発表するなどで原油供給が引き締まるとの見方からWTI原油先物は5%の上昇を見せています。
■エクソン・モービル(XOM)の2020年第1四半期決算発表
XOMの20年第1四半期決算が発表されました。内容は悪かったです。
売上高は561億5800万ドルで予想の541億8100万ドルを上回りましたが、前年同期比からは11.7%減となり、コロナパンデミックに起因する経済活動停止の影響を受けた原油需要過多が如実に表れています。
当期純利益は大きくマイナスとなり6億1000万ドルの損失を計上し、前年同期比126%減となりました。
EPSもマイナスとなり0.14の損失で予想の0.04を下回り、前年同期比125%減となっています。
XOMは上流部門・下流部門・ケミカル部門に分かれています。
上流部門で扱う石油生産関連は、サウジアラビアの増産とコロナ渦中の経済停止によって原油がダブついた影響を受けて原油価格が大幅下落した結果、米国内では-7憶0400万ドルを計上しています。
やはりコロナウイルス感染終息による米国内での経済活動再開で、原油需要が復活しないと回復は厳しい状況です。
しかし、それ以外の各国では需要が大きく伸びて12憶4000万ドルが計上されて米国内の需要低下を相殺し、5億3600万ドルがトータルとなっています。
それでも前年同期比では23憶4000万ドル減となっていますので、深刻な状況ですね。
下流部門では航空機のジェット燃料やガソリンの大幅な需要減少に起因してトータルで-6憶1100万ドルを計上していますが、そもそもが上流部門が主力になっているのが数字で確認するとよく判ります。
コロナパンデミックが終息しても業績に大きな影響はなさそうですね。
ケミカル部門では、トータルで1憶4400万ドルを計上し、部面別では唯一のプラス圏となっています。
これはコロナ渦中にあって需要が低迷する中、液体原料価格も大幅に下落しており、原価が低減されていることが原因です。
また、業績改善に直接的に繋がるわけではありませんが、米国内で原油精製工場の改修を行って、医療用マスクや防護服、消毒液の生産をこの部門で行っています。
消毒液は160,000ガロンの医療グレードの消毒剤を、医療プロバイダーと第一対応者に寄付しているとしています。
営業キャッシュフローについては、63憶6000万ドルが計上されています。
コロナショックによる今期損失は大きいですが、この数値を眺めると直近においては、潤沢なキャッシュフローを背景に、直近では危機的状況にはなりにくいと考えられます。
エクソンモービルは、コロナパンデミックによる供給過剰と需要の低迷による低商品価格に対応して、2020年の設備投資を30%削減し、現金営業費用を15%削減すると発表しています。 2020年の設備投資は、以前に発表された330億ドルから減少して、約230億ドルになると予想されており、配当金の維持やこの第1四半期中に600万株の自社株買いを行って株価を下支えするなどして、株主還元に積極的な姿勢を変えていません。
マークスはXOMの買い増しを引き続きしていきたいと考えています。
ではでは。
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