■フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)の 20年第3四半期決算発表
マークスです。
昨夜のNYダウは米追加経済対策が大統領選に間に合わないことが懸念材料となり反落し、前日比$97.97安の$28,210.82で取引を終えています。 そんな中、20日のNY市場開場後にPMの20年第3四半期決算(←リンク張ってます)がありました。
結果は減収増益でまちまちでしたが売上、利益共に市場予想を上回りました。
売上高は74.46億ドルで、前年同期の76.42億ドルに対し2.6%減となりましたが、予想の72.8億ドルを上回りました。
営業利益は$32.43億ドルで前年同期の31.84億ドルに対し1.9%増となり、第2四半期からの回復が示されています。
当期純利益は23.07億ドルで前年同期の18.96億ドルを上回り、21.7%の大幅増となっています。
1株当たり利益(EPS)は$1.42で前年同期比で0.7%減と下回っていますが、予想の$1.36を上回る結果となっています。
健康意識への高まりから、世界的に喫煙人口は減少の一途をたどる中、製品出荷量は前年同期比で7.8%の減少となっていますが、紙巻きたばこ売上が前年同期比で9.8%減となっているのに対しIQOSは前年同期比18.7%増と堅調に伸びています。
コロナ禍にあって禁煙ムードは更に高まっていることからタバコ全体としての売上減少は継続していくことが推察されますが利益については当分の間、値上げと経費削減により確保できるであろうと思われます。
営業キャッシュフローを眺めると、$36.14億ドルとなっており、前年同期比で73.5%の大幅増加となっており、経費削減と値上げの相乗効果によって、第2四半期より大きく改善しています。
PMは通年の予想EPSを上方修正し、第2四半期発表していた2%~5%を5%~6%としています。
株主還元として2.6%の増配も示唆していますが自社株買いは行わないとしていることから、株価の上昇にはつながりにくい結果となっています。
PMの日足チャートを眺めると、決算発表前に株価は上昇していましたが、自社株買いを行わない今期決算発表を嫌気してか大きく売られ、200日移動平均線まで一気に割り込みました。
その後、回復傾向にはありましたが200日移動平均線が上値抵抗となり低迷していますので、このままダウントレンド入りする可能性も示唆されます。
■PMの20年Q3まとめ
減収増益となっていることから加熱式タバコへのビジネスモデルの転換は、世界的に愛煙家が減少している中にあって成功していると見ることが出来ます。
売上が減少してもキャッシュフローが増加しており、当面の株主還元に支障はないレベルであることから、ポートフォリオ占有率と平均購買額との折り合いを見ながら買い増しタイミングを計りたいと考えています。
昨日の終値$73.82での利回りは6.55%と高配当企業であり、増配もコミットされている上、英国籍企業であることから米国での税金は還付されるメリットも大きく、NISA枠で保有したPM株の配当はほぼ無税となることも魅力的です。
ではでは。
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