■アッビィ(ABBV)の2020年第3四半期決算発表
マークスです。
米国では10月の最終週に1日当たりのコロナウイルス新規感染者数が過去最多を更新した州が14州に上り、パンデミック以降でも過去最多の記録が更新され経済活動への深刻な打撃が懸念される他、米大統領選挙も郵便投票の開票に時間を要することから結果が遅延する可能性が高く、投資ポジションを解消してキャッシュポジションを取る動きが観測されています。
昨日のNYダウは再び下落し前日比$157.51安の$26,501.60で取引を終えています。
今週に入ってからのNYダウ下落幅は$1,700に上り、調整期間が続いていると言えるでしょう。
さてそんな中、昨日30日、アッビィ(ABBV)が2020年第3四半期決算(←リンク張ってます)を発表しました。
内容は前年同期比から大幅増収・増益となる好決算で、増配発表も合わせて行われました。
純売上高は129.0億ドルで前年同期比52.4%の大幅増、調整後売上高は128.8億ドルで予想の127.1億ドルを上回りました。
営業利益は32.55億ドルで、前年同期比の24.4%の大幅増益となりました。
純利益は23.08億ドルの増益となり、前年同期18.84億ドルから伸長が見られます。
調整後EPSは$2.83で予想の$2.76を上回り、希薄化後EPSは$1.29で前期Q2の減損から転じて増益となりました。
販売コストの内訳をみると無形資産償却は前期Q2の14.1億ドルから3.89億ドルへ縮小していますので、これが増益に繋がる一因になっています。
それ以外の項目としては特に経費が嵩んでおらず、製薬会社としては低めに抑えられています。
ABBVの主な製品収益前年同期比を眺めると、米国でのヒュミラの収益は7.7%増加する反面、米国を除く売上は調整後で9.3%の減少が見られます。
これはヒュミラの米国外で特許期限が切れによるもので、価格の安いジェネリック薬品が台頭していることが影響しています。
米国での特許も2023年に期限切れを迎えると考えられますが、ヒュミラの売上高全体で比較すると圧倒的に米国内での売上が高く米国外での需要も回復傾向にありますので、期限切れまでは安定して需要が伸びると推察されます。
一方、次期主力製品と期待されているイムブルビカは米国での需要が鈍化傾向にある反面、米国外での需要は伸びています。
しかし、トータルで見るとQ2の17.2%から9.0%の伸びに留まっていますので次期主力としては力不足との判断になりそうです。
ただ、アラガン買収によって事業ポートフォリオの拡充を行う方針は現状、うまく機能しているようで、美容系薬品部門のシワ取り薬品であるボトックスコスメティック,神経科学系、アイケア系、ウーマンズヘルスケア系の薬品群の売上高は伸長しています。
ABBVの魅力はキャピタルよりもインカムゲインにあると考えて保有していますが、2021年2月16日に支払われる配当から1株あたり$1.18から$1.30へ約10.2%の増配を行うというホルダーには嬉しい発表がありました。
ABBVの日足チャートを眺めると、200日移動平均線を割り込んでズルズルと下落していましたが、今期の好決算と増配を好感して窓を開けて上昇しています。
50日移動平均線がデッドクロスを形成しそうになっていましたが上値抵抗の移動平均線を上抜けすると、株価は上昇トレンドに移行するかも知れません。
今期決算で2020年度の通期見通しを引き上げており、傘下のアラガンの収益を含んだものとしていますので、第4四半期でこの見通を達成できれば株価上昇の追い風になりそうです。
マークスが保有するABBVの平均購買株価はNISA枠で$81.54、特定口座で$87.89、総平均で$84.60、ポートフォリオ占有率は8.43%となっていますので、平均購買株価を下げれる機会があれば買い増しを検討して行きたいと考えています。
ではでは。
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