【XOM21Q4】マークス、エクソン・モービル(XOM)の2021年第4四半期決算発表を確認する。

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■エクソン・モービル(XOM)の2021年第4四半期決算発表

マークスです。 1日の市場開場前にXOMの21年第4四半期決算(←リンク張ってます)が発表されました.

原油需給ひっ迫の懸念から原油価格が高騰していることを反映し、売上高は予想を僅かに下回ったものの、利益は予想を上回った決算発表となりました。

売上高は849.7億ドルで予想の850.1億ドルを僅かながら下回りましたが、前年同期比82.6%増収と前期Q3に引き続き、急騰する原油需要を反映しています。

当期純利益は88.7億ドルで前年同期の-200.7億ドルの巨額赤字から回復し、黒字を前期Q3から更に伸ばしています。

一株当たり当期純利益(EPS)は$2.05で予想の$1.93を上回っています。

原油価格高騰を追い風に顕著に利益が伸びていることが見て取れ、コロナショック前を上回った前期より更に成長しています。

この実績を基に前期発表のガイダンス通りに株主還元を目的とした自社株買いプログラムを開始することを発表していますので株価の伸びも期待出来ます。

XOMは上流部門・下流部門・ケミカル部門に分かれていますので、各セクターの昨年度との利益比較表を見てみます。

XOMの主力である上流部門で扱う石油生産関連は、原油需要が前期Q3から8%の増加となったとしており、天然ガスは需要増加により前期Q3から63%の増加の大幅になったとされています。

天然ガス需要については例年より厳しい寒波の影響もありそうですが、それを差し引いても大きな増加幅です。

下流部門は前四半期から改善しマイナス計上からプラスになっていますが、これは移動制限の緩和による輸送需要の増加によるものとされています。

また、この部門では林業及び木材の建設廃棄物をバイオ燃料へ変換する事業計画を展開するBioJet ASの49.9%の株式を取得し、XOMに300万バレルの低排出バイオ燃料を購入する機会を得ています。

ケミカル部門については今後のXOMの主力となる事業となるべく注力されており、プラスチックなどの石油製品や炭酸ガス削減に向けたEV自動車への転換で下流部門が先細りが予想される中、高度なリサイクル技術による再生プラスチック精製の技術を持つマテリア社を買収しており、事業転換を加速させています。

XOMは1月31日、この3部門の事業再編を発表しました。

これは株主からの更なる還元に対する圧力に応えるもので、石油・天然ガス開発生産を受け持つ上流部門はそのままに下流・ケミカル部門を統合し「製品ソリューションズ」として一本化して石油精製とケミカル部門を担う他、「低酸素ビジネス部門」を新設、3部門とするとしたものです。

以前より低炭素エネルギーについては同業他社のシェブロンなどに後塵を拝していることが指摘されており、原油価格回復に伴って業績が回復したことで、ようやく重い腰を上げたといったところでしょうか。

この再編については4月1日から実施されるとのことですから、次回四半期決算(22Q1)に若干の影響と22Q2では完全にこの新3部門での決算になるので注意が必要となります。

原油価格の日足チャートを眺めると、昨年末に上値抵抗の200日移動平均うブレイクし、その後も上昇の勢いは衰えることなく50日移動平均も突破して7年ぶりの高値を更新、$90に迫る勢いとなっています。

これは原油需要の多い先進各国の備蓄が歴史的な低水準となる他、パンデミックで休止したシェールオイル採掘が回復しない上、OPEC加盟産油国の採掘も計画より少ないことで需給が逼迫していることが原因です。

一部アナリストが今年中に1バレル当たり100ドル超えとなる予想をしていましたが、あっさり到達しそうですね。

インフレ率上昇への影響も大きい原油価格急騰ですので、景気後退懸念の台頭もそろそろ出て来そうに感じます。

一方、XOMの日足チャートを眺めると,年初に急伸して50日移動平均線をブレイクすると、原油急騰に合わせて株価も上昇しており、今期決算で売上高が予想を下回るものの利益が予想を上回ったことと自社株買いでの株主還元をガイダンス通りに行うことを追い風として急伸、一気に$80台となりました。

自社株買いは22Q1のタイミングで開始され来年中での2年に渡り100億ドルが行われるとのことですので、更なる株価上昇も期待できます。

XOMホルダーとしては嬉しいのですが景気サイクルを考えた場合、エネルギーセクターの上昇は景気後退期に見られることから、原油価格高騰に起因する過剰なインフレが景気後退へ至る時期を早めるかも知れないという懸念もあります。

このリスクヘッジのためにもエネルギーセクターはポートフォリオの配分に注意しながら保有を継続したいと考えています。

ではでは。

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