■VIX指数(恐怖指数)から米国株価動向を考えてみる。
マークスです。
昨夜のNYダウは、過去最高を記録した失業保険申請の更に2倍となる660万件となったにも関わらず、前日比$469.93高の$21,413.44で引けました。
これは、トランプ大統領がサウジアラビアとロシア大幅減産合意が数日中に合意するとの発言を受けて、原油価格が急騰し,石油株に買いが入ってNYダウを牽引したからです。
しかし、OPECプラスでは、これ以上の減産は他国の減産協調が不可欠であるとの見解があり、米シェールオイル減産を促していると考えられることから、今後の原油価格や今月発表される石油メジャー決算発表内容によっては、また下落基調になる可能性も否めません。
NYダウの日足チャートを眺めると直近では、小さい「三角持ち合い」を形成しており、この時点では上昇か下落に振れる状態でしたが、結局は急落方向に振れました。そこに原油大幅減産合意のニュースで昨夜の上昇に至っています。このニュースが報道されると一昨日は下落しているのにも関わらずVIX指数は改善、昨夜は上昇をみてさらに投資家心理がリスク選考側に振れて、50.6まで落ち着いてきました。
しかし、原油減産合意はまだ協議中であることから、再度の交渉決裂となると一気に投資家心理が冷え込むことが予想され、大きく売り込まれる可能性は否定できない不安定な状態となっています。
未だ50を超えるVIX指数を記録する中、主要企業決算結果が予想を下回ると企業ファンダメンタルを無視して投げ売りされる可能性が高いと思われます。
新型コロナウイルスパンデミックは収束の兆しが見えない現状では、株価は投資家心理に支配されやすい状況であると考えられることから、一度、VIX指数(恐怖指数)の観点から動向を見てみたいと思います。
VIX指数は概ね株価と反対の動きをすることが知られています。株価下落時はVIX指数は上昇し、株価上昇時はVIX指数は下落する。ということですね。
VIX指数の日足チャートを眺めると3月24日付近をピークに上値を抑えられ、下値は切り下げされているのが確認できます。これは投資家心理が落ち着きを取り戻しつつあり、株価下落時の恐怖心が和らいでいることを意味します。
移動平均線を見ると、200日移動平均線を50日移動平均線を上抜けする「ゴールデンクロス」を形成しており、この状態であれば移動平均線に沿って波を打ちながら上昇を続けると言われています。
この上昇の波の形成は3回の上昇、下降を繰り返すことが多く、株価のサイクル『グランビルの法則』として知られています。
この法則に乗っ取れば、まだ後2回の上昇を見せる可能性があるのですが、初回ピークが86付近とリーマンショック時に近いところまできていますので、このピーク更新は考えにくいと言えます。
一方、チャート下段のMACD(マックデイ)ですが、移動平均線とは逆に「デッドクロス」を形成しています。移動平均線の状況とは対極に位置するシグナルですが、MACDは移動平均線より早くその傾向を表すことが知られていますので、VIX指数を株価として見立てると「利益確定を行う売りのサイン」と取ることが出来ます。
ちなみにMACDでこの傾向を見る時はゴールデンクロスが買いのサインにはなりませんのでご注意ください。
チャートの下落傾向、MACDのデッドクロスを考えるとVIX指数は下落する可能性が高い、つまりNYダウは上昇する可能性が高いと考えることが出来るということになりますね。
「コロナショック」終息がいつになるか明確に見えない中、プロであるアナリストでも2・3番底があると考える方と、既に株価は底を打ったとの考え方に分かれていて、結局のところ誰にも判らない状況ですので、あくまで参考レベルですが、この傾向は今後の投資方針について考える時に心に留め置いて損はないと思います。
さて、マークス保有銘柄の殆どは今月決算発表が予定されています。時期が時期なのでずれる可能性は大いにありますが、覚書程度に以下に書いておきます。
・JNJ : 4月14日
・PM : 4月16日
・IBM : 4月20日
・MCD /PG : 4月22日
・ABBV : 4月23日
・XOM/VZ : 4月24日
・KO : 4月28日
こうしてみると、まさに決算ラッシュですね。結果次第でポートフォリオのバランスが大きく崩れる可能性もあるので、特に注視して行きたいと思います。
ではでは。
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