■新型コロナウイルス感染拡大のフェラーリ生産への影響
マークスです。
米国では新型コロナウイルス感染者による死者が2万人を突破し、イタリアを上回って世界最多となりました。
イタリアでは深刻な医療崩壊を起こしており、死者数増加に歯止めが掛からない状態にあり、1万9500人弱ですが、明日にでも2万人を超えそうな増加数を示しています。
そんな中、フェラーリのホームページを見ると、フェラーリ生産工場も10日の伊政府発表に従い、5月3日までの生産停止延長を決めており、その間、ソーシャルワーキングが出来ない生産系社員の休業補償は行うとしています。
また株主総会においてはリモート会議による参加を要請すると共に、リモート会議に参加出来ない株主については、決議内容に対して修正する権利を留保するとされています。
■フェラーリのビジネスモデル
マークスは趣味の投資先としてフェラーリ株を数株保有しており、これからも時々買い増しするつもりです。
もちろん、スポーツカー好きのマークスにとって永遠の憧れでもあるフェラーリは、クルマ好きにとって特別なブランド力を持っており、これこそフェラーリが企業としての優位性とするところです。
フェラーリがスポーツカーの代名詞となるために行っているのは、言わずと知れたモータースポーツ最高峰である、F1グランプリですね。空気を引き裂かんばかりの官能的なエキゾーストノートを響かせてサーキットを駆け抜ける深紅の跳ね馬は、ストリートユースの販売車両であっても、その存在感を示し続けています。
フェラーリの日足チャートを眺めると、ブランドマークのままに、株価もまさに『跳ね馬』ですね。
コロナショック渦中でやはり株価下落の波に呑まれているのは景気後退、不況時に市場平均をアンダーパフォームしやすい自動車産業銘柄の宿命ですが、このところの株価回復で50日移動平均線をブレイクしており、あまり割安感はなくなっています。
一方、週足チャートに目を移すと50日移動平均線が抵抗になっていますので、下落する可能性も残っており、$150を下回ると買い増しのタイミングと考えています。
フェラーリのビジネスモデルは富裕層をターゲットとし、F1で勝ち続けることでスポーツカーの代名詞として君臨し、高いブランドイメージを基続け、販売台数を絞ることで富裕層の飢餓感をあおることで成り立っています。 モトリーフールの記事「フェラーリの財務を車検。現在の株価は割安か」の記事にトヨタ自動車との財務比較の記事がありますので、ROEなどの財務状況は参照にしていただければ良いかと思いますが、この記事に書かれていない、意外な収益減があります。
フェラーリの高いブランド力は、2013年にイギリスのブランド価値調査期間である「ブランド・ファイナンス」がまとめた報告では、「コカ・コーラ」や「アップル」などを抑えて2013年の「世界で最もパワーのあるブランド」に選ばれたことがあるほどです。
この高いブランド力を利用した意外な収益源が、各種企業とライセンス契約を結び、自動車関連製品から装飾品、衣類、コンピュータ、玩具、自転車、セグウェイ、インテリア、さらには携帯電話に至るまで様々なフェラーリ公式グッズの販売によるもので、なんとフェラーリ全体収益の3割を占めています。世界中で認められる、高いブランドイメージのなせる業と言えますね。
F1参戦による研究開発費は莫大なものなのですが、企業のブランドイメージを高めることには不可欠であり、過去は年間7000台程度でしたが、現在は1万台まで増加しています。
また、フェラーリにとっても時代の潮流は軽視出来ず、「12気筒エンジンでなければフェラーリではない」とされていたのは過去のものとなり、今年、フェラーリ初のプラグインハイブリッドとなる『SF90ストラダーレ』を発表し、この4月9日に「2020年レッドドット賞」のプロダクトデザインにおける「ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞しています。
これは世界各国から応募された自動車など幅広いカテゴリーの工業製品から、デザインの革新性、機能性、人間工学などの9つの基準に基づき審査され、クオリティの高いデザインにレッドドット賞が贈られるというもので、ベスト・オブ・ザ・ベスト賞は、レッドドット賞のプロダクトデザイン部門における最高の賞だ。とくに優れている工業製品に贈られる賞となっています。
このSF90ストラダーレのパワースペックはV8ターボからの780hpと3個のモーターが発生する220hpを合わせたPHVシステム全体で、なんと1000hpのパワーを引き出すものとなっており、クルマ好きの富裕層の心を鷲掴みにするものとなっています。
フェラーリの車両生産原価は販売価格の50%程度とされており、高い収益性を挙げていることから、その企業の株を保有銘柄として考えても、将来性は期待出来るのではないでしょうか?
ではでは。
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