【保有銘柄配当】マークス、保有銘柄の配当性向を確認する。(後編)

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■【KO・TGT・MCD・PM・VZ】の配当性向推移

マークスです。

昨夜のNYダウは明日27日のパウエルFRB議長講演を前に取引を手控える動きがある中、前日比$83.48高の$28,331.92と前日の下落を埋める値動きとなって引けています。

さて、前編のIBM・ABBV・JNJ・PGに続き、KO・TGT・MCD・PM・VZの5銘柄について、配当性向推移を見ていきたいと思います。

コカ・コーラ(KO)

KOはJNJと同じく58年連続増配の配当王で、コロナパンデミックによる3月の暴落開始時に史上高値を記録しており、ディフェンシブ銘柄として見られていましたが、世界的な経済活動停止の影響が顕著になるにつれてその環境での弱点を露見することになり、業績が悪化した決算発表も重しとなって株価回復は出遅れています。

材料原価が安価の上、スポーツイベントや観劇などで売上を伸ばし、豊富なノンアルコール飲料の品揃えからレストランなどのドリンクバーに多く採用されるといった強みが都市ロックダウンやイベント中止で売上が激減し、業績悪化に繋がっているからです。

EPSの過去10年の推移を眺めると2010年の$2.53をピークに17年の$0.29まで減少した後、回復傾向を見せています。

これは業績が悪化傾向にあるボトリング事業の売却や新商品の投入により売上回復のテコ入れが成果に繋がっていると推察されますが、増配を続けていることから配当性向は近年高くなっていて、増配の余裕がなくなってきていることを示唆しています。

ただ、営業CFマージンは安定して20%以上を稼ぎ出していることから、コロナ禍を乗り切れれば明るい兆しも見えてくるのではないかと考えられますので動向を注視していきたいところです。

ターゲット(TGT)

★8月25日株価終値:$152.85/利回り:1.78%

49年連続増配の準配当王のTGTの株価は、今年第2四半期決算でEPSがコンセンサスの2倍を超える好調な業績を好感し、それまでの$130付近の値動きから急伸して$150台で推移しています。

EPSの推移を眺めると2015年を除くと右肩上がりとなっており、増配率も安定して伸びています。

配当性向もこの15年を除くと50%以下となっており、まだまだ増配余地は充分にあります。

19年の営業CFマージンは、米国株式会社平均を下回っていますが、好調な業績の伸びに支えられて右肩上がりに推移していますのでこの平均を上回るのに時間はさほど掛からないと考えられます。

但し、RSI値は80超えとなっており買われ過ぎが示唆されているほか、日足チャートを眺めるとこの急伸時に大きく窓を開けていることから、何かのきっかけで窓を埋める調整が入ると推察されますので買い増しに当たっては値動きを良く見て指値を入れたいと考えています。

マクドナルド(MCD)

★8月25日株価終値:$212.65/利回り:2.35%

44年連続増配を行っている配当貴族のMCDは堅調な営業CFマージンを維持していることから配当性向にも余裕がある優良銘柄です。

安定した業績からEPSも順調な伸びで右肩上がりで推移しており、増配率も安定しています。

19年の配当性向は60.9%とまだ余裕がありますので、配当王に向けて増配を継続可能な経営基盤があると考えられます。

株価が既にコロナ前の水準に戻ってきていますので、他の保有銘柄との兼ね合いを勘案しながら、買い増ししていきたいと思います。

フィリップモリス・インターナショナル(PM)

★8月25日株価終値:$79.62/利回り:5.88%

PMはアリトリアグループ時代からの通算では58年連続増配の配当王です。

アボット・ラボラトリーからスピンオフしたABBVと共に隠れた連続増配銘柄と言えます。

喫煙者数減少に伴って、売上高も縮小傾向が続いていますが値上げによる利益率拡大により、安定した営業CFマージンを得ています。

このことからEPSも大きく下落することなく推移しており、増配を続けています。

配当性向が近年90%を超えており増配余地はありませんが、そもそも設備投資へのコストが低いため、配当金が重しになりにくいビジネスモデルであることから、減配に転じる公算は低いです。

株価もコロナ前の水準に戻りつつありますが、それでも5.88%の利回りは魅力で、増配は無くても配当が維持されるだけでもメリットはあると言えます。

将来性には期待しにくい銘柄ではありますが、世界中で一斉に禁煙する消費者が発生することがないであろうと考えると、まだ保有を継続する理由にはなりえます。

ポートフォリオ占有を見ながら買い増して受領配当金の増額エンジンとしたいところです。

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)

★8月25日株価終値:$59.12/利回り:4.14%

VZの連続増配年数は15年と保有銘柄にあって増配期間の短い銘柄となっています。 通信セクターらしく安定した業績を上げているイメージですが、配当利回りは低く配当性向もバラつきがあります。

AT&Tと比較すると歴史も浅いことから、設備投資が嵩むことが想定されますが成長性にはVZに軍配が上がると考えられ、このところは伸び悩んでいますが、このことは株価の伸びに表れています。

営業CFマージンについても安定しており、利益を設備投資に割くことで成長を継続することが可能であろうと推測され、増配継続への不安要素は薄いと考えています。

下落耐性が強いことから主力銘柄にはなりにくいですが、保険的に保有するのに適している銘柄ですね。

■保有銘柄の配当性向推移まとめ

2部に渡って9保有銘柄の配当性向を確認しましたが、経過観察に注意を要する銘柄はあるものの、直近で減配に繋がりそうな銘柄はありませんので、やはりポートフリオ占有率にあまり偏りがないように、コントロールする必要があります。

優良大型株で形成されるダウ構成に含まれる銘柄は、安定感がありますがそれでも配当性向が高まりつつあるKOは四半期決算を注意深く見ていく必要性を感じます。

ヘルスケアセクターは長期的なパフォーマンスが市場平均を上回ることが知られていますが、訴訟リスク懸念が常にあることを肝に銘じておく必要があり、ABBVは主力のヒュミラの米国内特許が2023年に切れることから、期限が近づくまでの動向は注視し続ける必要性は高いです。

ダウ構成銘柄中で最長のエントリー期間を誇っていたXOMや、製薬会社として存在感を示していたファイザーが鋼製銘柄から外れ、クラウド顧客管理を主力とするセールスフォースや産業機械大手のハネウェル・インターナショナル、製薬会社はアムジェンが入ってくるなど時代の移り変わりは確実に訪れ続けるものなので、長年に渡って好業績を上げている銘柄であっても妄信することなく確認し、対応を続けていくのは資産形成に必須ですね。

ではでは。

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