【JNJ20Q2】マークス、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)の2020年第2四半期決算発表を確認する。

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■昨夜のNYダウ

昨夜のNYダウは失業保険申請件数が予想を上回り高止まりしていることを嫌気し、前日比$135.39安となる$26,734.71で取引を終えました。

4連騰となっていたこともあり、利益確定売りも重しになったと考えれますが、同日発表された米国コア売上高は予想5.0%を上回り7.3%となったことから経済活動再開に伴う堅調な小売り売上高の回復を受け下落幅は限定となっています。

NYダウの日足チャートを眺めると、一昨日の上昇で開けた小さい窓を埋める小動きとなっていることが見て取れます。

今後は下値抵抗の200日移動平均線を意識した下落に留まる可能性が高く上昇トレンドが続きそうな値動きです。

■ジョンソン&ジョンソン(JNJ)2020年第2四半期決算  (3月30日-6月28日)発表

16日のNY市場開場前にJNJの20年第2四半期決算発表(←リンク張ってます)がありました。

コロナパンデミックの影響を受けて医療機器の認可が遅延し売上と利益を圧迫して前年同期比大幅減収減益となっていますが市場予想は売上・利益とも上回っており、通期見通しは若干ですが引き上げていますので今の時期としては良好な結果と言えるでしょう。

売上高は予想175.5億ドルに対し183.3億ドルで予想を上回っていますが前年同期比-10.8%と減収。

純利益は前年同期が56.07憶ドルに対して36.63億ドルとなり-35.3%の減益となっています。

調整後EPS予想$1.47に対して$1.67と予想を上回っていますが前年同期比では-35.3%と落ち込んでいます。

純利益への圧迫は販売経費率増加もあり、前年同期比より5.2%増になっており、売上高低下と相まって減益へ繋がっており、これは新型コロナウイルス感染防止対策費であろうと推察されます。

JNJは大きく3部門での事業展開を行っており、美容・オーラルケア・ベビーケア用品などの個人向けヘルスケア用品販売部門とCOVID-19ワクチンや抗がん剤などを開発・販売する製薬部門、及びコンタクトレンズ販売や手術用機器などを扱うメディカルデバイス部門となっています。

前年同期比で部面別の売上高を眺めると、個人向けヘルスケアが-7.0%、製薬部門は+2.1%、メディカルデバイス部門が-33.9%と抜きんでての売上減が明確になっています。

個人向けヘルスケア販売部門の売上低下も外出規制にともなってスポーツや旅行先などでのケガが減少したことに起因して、日本でのバンドエイドの売上や米国での包帯などの需要低下、巣ごもりによるスキンヘルス・美容関連商品の売上減少に伴うものとなっています。

一方、リステリンなどの消毒などにまつわる商品の売上増加がこの部門の売上低下の下支えとなっています。

売上が唯一プラスになっている製薬部門では、イムブルビカが好調な売り上げで世界中の患者の取り込みに成功したとしており市場シェアを拡大しています。

一方、もう一本の製薬部門の柱であるレミケイドはバイオシミラー台頭によりシェアを奪われており、今後の市場シェアに影を落とす結果となっています。

そして今期決算において売上高減少の大きな原因となったメディカルデバイス部門を見てみると、この部門の1/3を占める整形外科分野において、スポーツでの需要低下が原因とされており、ここにも新型コロナの影響が如実に表れています。

またこの部門のもう1/3を占める手術に関する分野では、新型コロナ感染拡大の影響による手術の延期や、医療機器の認可遅延が売上の大きな減少に繋がることとなっています。

その他の分野として挙げられているコンタクトレンズ関連商品も新規購入者が減少することにより売上が低下したとされており、総じてこのメディカルデバイス部門が売上と利益を圧迫していることが判ります。

逆に言うと新型コロナウイルス感染拡大がワクチン開発により収束に向かえば、売上高、利益共に回復すると言えます。

未だ猛威を奮う新型コロナウイルスの感染拡大は世界的も増加の一途をたどっており、各国で経済活動再開の動きある中での感染症再拡大も懸念されていますが、新型コロナワクチン開発時期の目途も立ち始めており市場は楽観的見方が優位になっています。

これを受けてか、JNJは通期見通しを若干ですが引き上げて発表しています。

第3四半期での回復はコロナパンデミックの影響が継続すると考えられますので厳しいと思われますが、第4四半期決算発表では回復すると見ていると思われます。

JNJの通期見通しの引き上げと市場予想を上回る決算内容を好感して、株価は上昇を見せています。

JNJの日足チャートを眺めると、今週のリスクオンを受けて上昇し、上値抵抗の50日移動平均線うブレイクアウトしています。

昨日は長い下ヒゲを伸ばした陽線となっていることから、テクニカル的には上昇圧力が強まっています。

但しRSI値は66.18と買われ過ぎの70に近づいており、直近の高値$152付近で調整局面を迎えそうに思います。

不安定な動きをしている50日移動平均線に比べて200日移動平均線は安定的に右肩上がりを描いており、中長期的には上昇傾向が継続すると期待出来ますので、あまり値動きに振り回されないように注意しながら動向を見守りたいと思います

■まとめ

良好な第1四半期決算発表から一転して、新型コロナウイルスパンデミックの影響を色濃く受けた今回の決算発表でしたが、むしろ第1四半期が良すぎたと言え、コロナ禍にあって堅調な業績であると考えられます。

気になるコロナワクチンについては米厚生省と資金提供契約の一環として米国内への供給を既に合意していますが、日本政府とビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団と協議していると報じられています。

ゲイツ財団は割り当てられたワクチンを開発途上局に供給するとしています。

JNJやファイザー等の大手製薬会社が世界中にワクチンを供給するべく動いており、世界各国も本気で対応すべく動いているので、供給が始まれば一気に浸透してコロナパンデミックも急速に終息へ向かいそうです。

これにより経済活動の本格的に動き出せば、JNJが今回決算で奮わなかったメディカルデバイス部門の急回復によりコロナ禍以前の好業績を取り戻すのはそう難しいことではないと考えらえます。

懸念材料としてはベビーパウダーへのアスベスト含有問題に伴う訴訟案件ですが、時価総額がNY株式市場の10位に入る巨大企業にとって、永続的に利益を上げていくのには大きな問題とはならなさそうです。

とは言え、訴訟判決内容によっては短期的に大きく株価下落をする可能性はありますので、リスク許容度の範疇で買い増しを継続したい銘柄であると考えています。

ではでは。

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