■フィリップモリス(PM)の20年第2四半期決算発表
マークスです。
日本時間22日早朝に発表された米原油在庫量が予想を大幅に上回り、供給過多懸念から原油先物価格は下落しています。
一方、7月までの減産協調合意に至っていたOPECプラスは会合で、8月から減産量を縮小することを発表していることから、原油価格下落に拍車を掛けそうな展開となっています。
そんな中、昨日21日のNY市場開場後にPMの20年第2四半期決算(←リンク張ってます)があり、コロナ禍にあって良好な結果でした。
売上高は66.51億ドルで、前年同期の76.99億ドルに対し13.6%減となりましたが、予想の65.00億ドルを上回りました。
営業利益は$27.31億ドルで前年同期の31.87億ドルに対し14.3%減となりましたが、売上原価が削減されており、前年同期比で18.2%の改善が見られます。
当期純利益は19.47億ドルで前年同期の23.19億ドルを下回り、16.0%減となっています。
1株当たり利益(EPS)は$1.29で前年同期比では11.6%下回っていますが、予想の$1.10を上回る好結果となっています。
PMは近い将来に紙巻きたばこから徹底することを明言しており、加熱式電子タバコのIQOSへのシフトを加速しています。
健康意識への高まりから、世界的に喫煙人口は減少の一途をたどる中で当然の戦略と言えるのですが、その傾向は国別の売上高を見ても明らかで、紙巻きたばこ売上が前年同期比で17.6%減となっていのに対しIQOSは前年同期比24.3%増と大きく伸びています。
しかし、紙巻き・加熱合わせた売上は前年同期比から14.5%減になっており、喫煙人口減少速度にも加速傾向が確認出来ることから、IQOSへの転換で顧客の取り込みを図りたい思惑があると考えらえます。
喫煙人口の減少に対し顧客の取り込みを図るにあたって、IQOSなどのデバイス販売が浸透すれば安定的にヒートスティックの販売量も予想できることから、利益も安定しますのでデバイスの種類の増加も頷けますね。
一度、デバイスを購入した顧客は必然的にそのメーカーのヒートスティックを継続的に購入することになりますので、減少する顧客取り込みにも繋がります。
営業キャッシュフローを眺めると、$19.25億ドルとなっており、前年同期比で44.1%の大幅減少となっていますが売上高減少に伴うものであると考えると、妥当な減少で売上高回復に伴い回復するであろうと考えらえます。
PMは通年の見通しを撤回していますが、予想EPSについては上方修正しています。
また、第3四半期のEPSについては今期EPSとあまり変動しない予想を発表しています。
PMの日足チャートを眺めると、決算内容を好感して株価は急伸していましたが上値抵抗の200日移動平均線を一時的にブレイクアウトしたものの、弾かれて下落していることが見て取れます。
RSI値は60.04となっていることから上昇余地はまだありますので、抵抗線の上抜けが期待されますが、コロナショック前への回復にはまだ時間がかかりそうです。
■PMの20年Q2まとめ
コカ・コーラ(KO)と同様に減収減益でありながら、EPSは予想を上回り、株価は回復基調になっていますが、KOと違って既に上値抵抗に到達していますので、今後の値動きが注目されるところです。
売上減少に伴うキャッシュフローの縮小が気になるところではありますが、当面の株主還元に支障はないレベルであることから、ポートフォリオ占有率と平均購買額との折り合いを見ながら買い増しタイミングを計りたいと考えています。
昨日の終値$75.92と回復しつつある株価ですが、それでも利回りは6.42%と高配当企業であり、英国籍企業であることから米国での税金は還付されることから、NISA枠で保有したPM株の配当はほぼ無税となることも魅力的です。
ではでは。
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