【保有銘柄配当】マークス、保有銘柄の配当性向を確認する。   (前編)

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■【IBM・ABBV・JNJ・PG・KO】の配当性向推移

マークスです。

昨夜のNYダウは調整局面とアップル(APPL)の株式分割に掛かる株主登録期限を迎えたことが重しとなったようで小幅に下落し、前日比$60.02安となる$28,248.44で引けています。

保有銘柄で株価変動を眺めると概ねRSI値が高めになっている銘柄が売られ、低めの銘柄が買われています。

NYダウ構成銘柄から外れることになったエクソン・モービル(XOM)は24日の上昇分を吐き出すこととなっています。

そんな中、前回投稿で保有銘柄の営業CF推移を纏めたのですが、これは保有銘柄企業からの配当金が、将来的にも安定して支払われるだけの利益を上げているか、つまり配当金の支払いとなる原資を調達できているかを検証するための切り口の一つです。

結果として保有11銘柄中9銘柄は問題ないと判断されたのですが、手放すことを決めているWFCと今年の第2四半期決算で11億ドルもの巨額赤字を計上したXOMの2銘柄については配当性向を確認する意味がないので、除外して見ていきたいと思います。

米国投資で配当金によるリターンを期待するのであれば、配当金は多い方が良いのですが配当性向が高いことの意味することは、企業が成長するための投資資金を削って支払われている事実を認識する必要があります。

米国では「株式会社は株主の所有物である」という意識が高く、借金をしてでも配当金を支払う企業があり、株主還元が出来ない経営者は無能であるとされるため、必死で業績を上げようとするのですね。

事実、件のXOMの今年第2四半期決算では、借金をして配当金を維持しており巨額損失の一部となっています。

将来的に配当金を生活資金の一部に充当する投資方針であれば、このような銘柄を長期で保有するのはリスクが高いと言えますが、今年はコロナパンデミックによる経済活動停止によるところが業績悪化に繋がっている部分も大きいので、一時的な悪化であるかも知れません。

このことから、営業CF推移確認と同様、過去10年の保有銘柄の配当性向推移を確認します。

配当性向を確認するにあたって、同時に直近株価と利回り、EPSも参考にします。

EPSは当期純利益÷発行済株式総数ですので企業利益と株価変動に密接に関係し、利回りは株価によって変動しますので投資リターン効率を見る上で参考になるからです。

インターナショナル・ビジネスマシーンズ(IBM)

★8月25日株価終値:$124.64/利回り:5.19%

第2四半期の減収減益が祟って株価は今一つとなっていますので、利回りは5%超えと高配当となっています。

IBMの19年末時点での営業CFマージンは19.15%と過去10年間の中で平均的な数値でした。

これを反映して昨年通期EPSも$10.56と17年の低調から回復してきています。

配当金も過去10年に渡り、増配を続けていますが、配当性向を眺めると18年は98%と純利益の殆どを配当金に充てており、昨年も74.1%となっていることから、今後の増配への期待は薄いものとなります。

コロナ禍にあって減収減益となる中、減配のアナウンスはありませんので傘下のレッドハットのクラウド関連事業の成績と経済活動再開による売上・利益回復がカギとなりそうですので経過を注視していきたいです。

アッビィ(ABBV)

★8月25日株価終値:$94.06/利回り:4.99%

コロナ治療薬の供給において報道でその名を連ねたこともあって、米国外でのヒュミラの特許切れ懸念に起因する株価低迷は過去となり、このところは堅調な株価で推移していますが、5%弱の利回りとなる高配当です。

アボット・ラボラトリー時代からの通算では46年連続増配記録を持つ配当貴族銘柄で、研究開発部門からスピンアウトした後も増配を続けています。

ABBVの19年末時点での営業CFマージンは40.05%で莫大な研究開発費が発生する製薬会社としても安心できるレベルでした。

EPSの推移も堅調で増配も継続的に行われていますが、19年末の配当性向は183.7%と、好業績を示すEPSと整合しない結果が示されています。

原因として本業は好調であるものの、アビガンの買収費用が嵩んだことが挙げられます。

営業CFマージンとEPSの伸びが、その事実を証明していますので、アビガン買収による業績成長に期待したいと考えています。

ジョンソン&ジョンソン(JNJ)

★8月25日株価終値:$152.06/利回り:2.66、%

58年連続増配の記録を持つ配当王のJNJは高配当と言えるほどの利回りではないものの、キャピタルゲインも狙える優良銘柄です。

ベビーパウダーへのアスベスト含有に対する訴訟リスクを嫌気されて一時株価は伸び悩んでいましたが、コロナワクチン開発期待を追い風に堅調な株価推移となっています。

19年末の営業CFマージンは28.54%となっており、過去10年間に渡って安定して25%程度を記録しています。

EPSについては訴訟リスクを背景に一時的に悪化してはいますが概ね堅調と言える推移となっており、配当性向も昨年は70.5%と若干高めであるのと、トランプ政権の税制改革であり得ない数値になっていることを除くと、本業では順調に業績を上げていることが判ります。

増配については、この利益に沿ってされていると見做され、今後も増配記録を伸ばしてくれると考えらえます。

但し、キャピタルゲインについては訴訟リスクによる株価低迷に対して容認できるメンタルが求められる銘柄でもあります。

プロクター&ギャンブル(PG)

★8月25日株価終値:$139.06/利回り:2.28%

米国株式企業の中でトップとなる64年の連続増配記録を持つ配当王のPGは、コロナ禍にあっても生活必需品セクターだけあって3月の暴落からいち早く株価が回復し、史上最高値を更新しながら推移しています。

配当金の視点から見るとJNJと性格が似ている部分があり、キャピタルゲイン、インカムゲインともに期待できる銘柄ですが、JNJほどのボラティリティはありません。

中長期的に保有することでメリットを最大限活かせる銘柄と考えられますが、基本的に値動きは地味なので投資人生が長い方には退屈な銘柄であるとも言えます。

生活必需費品セクターであり、安定性があるように思われますが、EPSは年度によってばらつきがあり、15年と19年に落ち込みが見られます。

PGは多くのブランドを扱うメーカーですので、売上高の変動はさほど大きくないものの扱う商品の利益率にばらつきが大きいことが利益の変動要因に繋がっていると推測され、業績が悪化しているジレットを扱う髭剃り部門の売却や利益率の高い高級化粧品SK-Ⅱに注力するなど部門の再編を行っている途中経過にあることも変動要因の一つです。

特にコロナの影響を受けた20年6月末時点では、利益を支えていたSK-Ⅱの売上が世界的な外出制限に伴って激減したことが大きく影響し、162.2%と借金をして増配しています。

しかし、同期のEPSは$4.96となっていますので、経済活動再開に伴って化粧品関連の売上が回復すれば一時的な悪化と考えることが出来ますので、経過観察を注意して行いたいと思います。

後編はKO・TGT・MCD・PM・VZの配当性向を確認して、保有銘柄の配当性向纏めになります。

ではでは。

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