【米国経済近況】マークス、米コロナ感染者急増と保有銘柄企業の行方を考える。

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■昨夜のNYダウ

マークスです。

昨夜のNYダウは予想を大幅に上回る5月の中古住宅販売保留の発表と大規模インフラ投資などによる景気支援政策期待を追い風に、前日比$580.25高となる$25,595.80で取引を終えました。

NYダウの日足チャートを眺めると、一昨日は下値抵抗の50日移動平均線まで下落し、昨日は反発に転じており、15日頃から始まった上値を抑えられながら下値を切り下げる下降トレンドに転換が見られます。

また、50日移動平均線と200日移動平均線とのレンジ幅が狭くなっており、このペースであれば1か月程度でクロスする状況となりますので、それまでには上下どちらかに大きく振れると考えられます。

7,8月には「夏枯れ」と呼ばれるアノマリーがあり、これはサマーバカンス休暇を前に投資家が一旦、手仕舞いを行うことで株式が売られ株価下落を引き起こし薄商いとなるとしたもので、今年のコロナ禍にあってどのような経過となるかはわかりませんが、テクニカル的には下落しそうに感じています。

■米国のコロナ新規感染者増加と堅調な経済指標

経済活動を再開し通常生活へ戻す動きが進む中、米国では南部と西部で新型コロナウイルスの新規感染者が急増しており、これはソーシャルディスタンスを遵守しない若年層が多いことが原因とされています。

テキサス、カリフォルニア、フロリダ、アリゾナ州などでは80%を超える増加率で、新型コロナウイルス感染拡大第2波が深刻となっており、これを受けてフロリダ州とテキサス州は経済活動の制限を再開しています。

一方、先週25日に発表された米新規失業保険申請件数は予想の130万件を上回り148万件となり、前週の154万件より改善が見られますが、変化した消費者行動から客足が伸びず、再度レイオフ(一時解雇)が起きているとの見方もあります。

しかし、景気先行き見通しを消費者がどう見ているかを推し量れる住宅関連指標は良好で、昨日発表された中古住宅販売留保については予想18.6%を大きく上回り44.3%となり、前回の-21.8%から急回復しています。

同様に、輸送機を除く耐用年数3年以上である耐久財の新規受注総数を示すコア耐久財受注は予想2.5%の予想を上回り4.0%と前回の-8.2%から大きく改善していることから、短期的には悲観的な見方があるものの、中長期的には景気の先行きに対し楽観視されていると判断できます。

■コロナ禍中の保有銘柄企業動向

米経済活動再開による景気回復期待と、終息しそうにない新型コロナウイルス感染拡大の楽観と悲観が入り混じる状況下で、保有銘柄の内で最近動向に動きのあった、ウェルズ・ファーゴ(WFC)、エクソン・モービル(XOM)、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)の動向を見ていきたいと思います。

先ずは年内に手放したいと考えているWFCですが、先日行われたFRBから金融機関に対するストレステストの結果を踏まえ減配する見通しを発表しています。

ストレステストの結果では、米大手6銀行はコロナ禍にあっても十分な耐性を持つと評価されましたが、一方で自社株買いや配当金が過去4四半期の純利益を超えないよう制限するなど指導されていたことから、そもそも経営状況が芳しくなかったWFCは減配に踏み切り、経営の健全性を保つ姿勢を示したと言えます。

因みにWFCから今年支払われた配当金額は純利益を超えていました。

この発表を受けて大きく株価が下落するのではと考えていましたが、現在のところ市場の反応は薄いです。

平均購買株価を下げることを目的に、直近下値付近でローソク足が窓を開けている$24~25程度まで下落することを想定し、$24.90で指値を入れていますが、値動き幅の大きい状況を踏まえると一旦、指値を解除した方が良さそうに思えてきています。

次にXOMですが、原油価格回復のスピード感とは少し乖離している感が否めない株価推移となっています。

XOMの日足チャートを眺めると、下値抵抗の50日移動平均線を割り込んで徐々に下落しており、下降トレンドから脱却しそうな兆しは見えない状況となっています。

需要過多懸念から原油価格低迷が長引く中、米シェール開発大手のチェサピーク・エナジーが経営破綻したことが報じられています。

ここ数年で経営破綻した米石油・ガス開発企業の中では最大規模となっており、チェサピークはここ数か月、債務者と再編に向けた準備を進めていたとのことですが、破産手続きを進めてバランスシートを強化することを選んだとされています。

サウジアラビアやロシアに比べ、採掘コストの高いシェールオイル生産企業にとって$40を切る原油価格低迷は、やはり致命傷になり、淘汰が進むことになると予想されます。

しかし、そもそも原油価格低迷を招いたのは増産し続けたシェールオイル生産企業にあり、自業自得であると言え、この淘汰が進むことによって需給バランスが取れれば石油メジャーにとっては有利となります。

原油価格回復には数年かかるかも知れませんが、中長期的な視点で考えることが出来るのであれば、XOMを保有し続けるのは悪い選択ではないと考えています。

最後のJNJですが、今月23日に同社が販売したベイビーパウダーに含まれていたアスベストにより、卵巣がんを引き起こしたとする訴訟について賠償請求を求められていた裁判で、21億ドルの支払い命令の判断が示されました。

同訴訟においては2018年に44億ドルの評決が下っていたので、賠償額は半額になったことになります。

評決においてはJNJがアスベスト含有を知りながら消費者に販売したとする原告側の訴えを認めていますが、JNJは最高裁へ上告する方針であると報じられています。

JNJの日足チャートを眺めると、この報道があった日に急落し下落トレンドに転換し、下値抵抗の200日移動平均線上で推移しています。

RSI値は37.94で売られ過ぎである30に近付いていることから、割安感が出ています。

米厚生省は今月、コロナワクチン候補を14株から7株に絞り込むと発表しており、同ワクチン製造に関して最も有望な企業として5社を選定していますが、その中にJNJも含まれています。

同社は2021年中に10億回分のワクチン供給を目指して開発を進めており、その達成に自信を示しています。

JNJに関してはベビーパウダーへのアスベスト含有問題という訴訟案件という悪材料とコロナワクチン開発へ期待感との好悪混合材料を含んでいるため、今後の行方が気になるところです。

■まとめ

NY市場は感染症に対する景気下支えのために、惜しみなくキャッシュが投入されている状況にあり、いわゆる「金余り」状況になっていることから、何かの切っ掛けで大きく資金が動きやすく株価の乱高下を引き起こす結果となっています。

当初期待されていたV字回復期待は後退しており、アナリストはナイキのロゴのようなレ型回復になるであろうという予想が有力になっていてNYダウの日足チャートの形状もそうなっています。

米国でのコロナ感染者も総数で増加しているとは言え、州ごとに差が出ていることから今後の動向は注意してみていく必要がありそうです。

米大統領選についても、トランプ現大統領の支持率は低下の一途を辿っており、反対にバイデン候補の支持率は上昇していますので、こちらの行方も今後の株価や景気先行きに大きな影響を与えること予想されますので、年内はキャッシュポジションを確保しつつ、地道に平均購買株価を下げることに努めたいと考えています。

ではでは。

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