【PG22Q1】マークス、プロクター&ギャンブル(PG)の22年第1四半期決算を確認する。

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■プロクター&ギャンブル(PG)の22年第1四半期決算結果

マークスです。 65年連続増配に記録を持つP&Gが22年第1四半期決算(←リンク張ってます。)を昨夜の市場開場前に発表しました。

内容は悪くはない結果でした。

・決算概要

純売上高は203.4億ドルで予想の197.9億ドルを上回り前年同期比5.3%増となりました。

営業利益は50.23億ドルで前年同期比で5%減となっています。

当期純利益は41.12億ドルで前年同期比4%減となり、売上高の上昇に反して利益は低下しています。

一株当たり利益(EPS)は$1.61で予想の$1.59を上回っていますが前年同期比では1%減となっています。

・部門別業績詳細

部門別業績を眺めると、

■ビューティ部門の本源的売上高は前年同期比2%増

このセグメントはSK-Ⅱなどのスキンケアやウエラなどのヘアケアオーガニックを扱う部門です。

前期Q4では高級化粧品ブランドであるSK‐Ⅱがコロナ禍からの経済活動再開で伸びていましたが、今期はヘアケアオーガニックの売上高が増加したとされていますが、このセグメントにおいてQ4では6%の伸びを示していましたので、まだデルタ株感染拡大の影響が残っていると推定されます。

一方、スキンケア、パーソナルケアのオーガニック売上高は値上げによって伸びているとされています。

■グルーミング部門の本源的売上高は前年同期比4%増

この部門では家電オーガニック販売やスタイリング製品・シェービングを扱う部門です。

シェービング関連が値上げによって一桁台半ばまでの売上高増加をした一方で、家電関連の売上高は一桁台半ば減少したとされています。

この売上高減少は、やはり半導体などのサプライチェーンがボトルネックとなっていると考えられ、生産が滞っていると推察されます。

この傾向は自動車などの製造全般に関わる懸念で、今後1年程度は続くだろうと一部で予想されています。

このセグメントはPGのポートフォリオでは主力ではないものの、コモディティ価格の上昇や原油価格高騰の影響に起因する輸送費の上昇などで逆風となる可能性が高いですね。

■ヘルスケア部門の本源的売上高は前年同期比7%増

オーラルケアやパーソナルヘルスケア関連は一部のプレミアム製品が伸びているのですが、僅かながら出荷量が減少しているとされていますので、コロナ禍特需が終焉を迎えていると考えられます。

■ファブリック&ホームケア部門の本源的売上高は前年同期比5%増

アリエールやレノアなどを扱うこの部門は前季Q4で落ちていた、北米でパンデミック関連の消費が増加しているとされており、デルタ株感染拡大の影響がこのセグメントに影響を与えています。

生活必需品のセグメントですので本来は安定しているはずなのですが、地域による不均衡さがあるとされていますので感染拡大の地域差によって左右される傾向が見て取れます。

■ベビー用品&ファミリーケア部門は本源的売上高が2%増

ベビー、フェミニン、ファミリーケアセグメントのオーガニック売上高は、前期の1%減から増加に転じました。

これは地域差はあるものに経済正常化の進捗によって紙おむつ等の需要が回復したことが挙げられてる一方で、販促費の増加とファミリーケアの売上高が減少に転じているとされています。

良くも悪くも経済活動正常化が進んできていることが如実に反映されていますね。

※PGの扱う製品と過去10年の財務諸表を動画に纏めていますので、よろしければご視聴下さい。

■2022年度ガイダンス

2022年度のガイダンスが発表されており、本源的売上高は2~4%増・GAAPベースのEPSでは21年度の$5.50から$6~9の範囲を見込む前期の発表と変化なしですが、変動幅の下限になった場合にアナリスト予想を下回ることからこれが嫌気されて昨夜は売りが優勢となり株価は下落しました。

PGの日足チャートを眺めると、決算発表後に窓を開けて急落しています。

しかし、今月初めの下落には届くほどではありませんし売上高・EPS共にアナリスト予想を上回っていることと,ガイダンスでの懸念がコモディティコストと輸送費の上昇に起因するものなので価格への転嫁が出来れば生活必需品セクターの属するPGの企業基盤が揺らぐ事態に繋がるとは考えにくいです。

洗剤の価格が上がったからと言って洗濯をやめたりする人はいませんし、経済活動正常化がさらに進めば各国の渡航制限の解除によって、旅行者が利益率の高いSK-Ⅱなどの高級品を免税店で買われるようになるからですね。

因みに発表されたガイダンスによればこのコモディティコスト(商品コスト上昇)による影響は21億ドル、運賃上昇の影響は2億ドルでEPSへ-0.90ドルの相当の逆風になるとされています。

現在株価のRSI値は43半ばと比較的買い易い価格帯となっていますので買い増しのチャンスと言えるかもしれません。

ではでは。

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