■円貨の資産としての安全性
マークスです。
昨夜のNY市場は新型コロナウイルス感染拡大による経済活動への影響懸念が再燃し、下落しました。
これは北京の病院で新たに36人の感染が確認されたことや韓国でも新たに31人が感染確認され、更に新型ウイルスの感染力が予想より高い研究結果が発表されるなど、感染拡大に歯止めがかかっていないことが嫌気されたためです。
また、横浜停泊中のクルーズ船内で2名の死亡者が出たことで、日本の対応不備を非難する声が上がっており、今年開催予定の東京オリンピックへの対応についても不安材料となっています。
日本の国際的評価が落ちることとなった極め付けは発表されたGDPの低さです。
なんとその成長率は-6.3%!!
少子高齢化が進み深刻化していることを考えると、当たり前といえばそうなのですが少し早めに結果が出始めた感があります。
一方、米国は堅調な雇用に下支えされた消費に関する各指数が予想を上回る好結果となっており、米国景気の強さが伺えることになっています。
また、FRBが昨年秋から実施している事実上の量的緩和を今年6月まで行うことを発表し、市場に資金供給をしています。これが米国株高を下支えし、世界中の投資マネーが集まってくる構図となっています。
さて、米国の好景気、対照的な日本の悪材料が重なったことで、ドル円レートは一気に112円台で揉み合うことになっており、いままで円高の中で米国株投資を行っていた方は含み益が一気に増えると同時に、円安になった背景から外資が流れ込んだ日本株投資を行っている方も恩恵に預かっているのではないでしょうか。
かくいうマークスも為替差損がありドル建てのパフォーマンスを下回っていたのが逆転し、株価下落を上回るパフォーマンスとなっています。
今の局面を改めてみると、いままでとは勝手が違うと感じる方も多いのではないでしょうか。
過去、このようなリスク回避場面ではドルが強くともドル円に関してはゴールドと並んで安全資産とされる円買い優勢となり、円高が進んでいましたが今回は違う、ということです。
アジアでの新型コロナウイルス感染拡大であるということを差し引いても、あまりにも急激に円安になりすぎているのに違和感を感じているのはマークスだけでしょうか?
もしかしたら日本の少子高齢化に起因するGDP低下をきっかけに市場がついに『円は安全資産である』という誤認に気付いたのではないかとも取れます。
『円貨安全資産神話の崩壊』の始まりかも知れません。
事実、ドル買いは進みゴールド価格も7年ぶりの高値を付ける高騰ぶりを示しているのに円はユーロに対しても弱くなっています。
■マークス、米国市場の今後を考えてみる。
トランプ大統領の圧力もあったとは言え、FRBは市場との対話に重きを置いて市場が崩れると金融緩和に踏み切るなどの対応を行ってくれたこともあり、市場は楽観的であると思われます。VIX指数(恐怖指数)も執筆時点で15.45と低水準です。
またFOMC議事発表で、来年にかけてのリセッション発生の可能性が後退したとの見解もあることから、米国株は引き続き堅調に推移するのではないでしょうか。
一方で原油価格はトランプ政権がロシアの石油大手に対する制裁措置を導入し、ベネズエラ産原油の締めだしを行った結果、需要が逼迫し若干の持ち直しを見せていますが、原油消費2位の中国がこのコロナウイルス騒ぎで消費が落ち込めばまた原油価格の下落に繋がります。
この打撃はエクソン・モービル(XOM)やシェブロンといった大手石油企業にもダメージを与える結果になります。
マークスは現状が今まで投資書籍等で得た知識と違うことに違和感を覚えています。
その知識では株が強気の場合は債券金利が上昇(価格は下落)し、金価格も下落する、株が弱気の場合はそれぞれが逆になるということなのですが、現在は株は強気、債券金利低下(価格上昇)、金価格上昇と総てが高値となっています。
つまり、円が弱くドルがというより米国経済が強すぎて円貨で米国市場に参入しにくくなっているといいうことですね。
しかし、史上最長の市場強気相場の継続にそろそろ暴落局面を迎えることを懸念するアナリストも多くなっています。FRBの量的緩和が終わる7月にどうなるか、今年の米大統領選の結果がどうなるかが大きな転換ポイントになりそうですが『過去は未来を保証しない』ことを考えると、まだまだ上昇をし続ける可能性も少なからずあります。
マークスは暴落時に買い増しできるだけのキャッシュポジションを維持しながら、ポートフォリオのバランスを考慮しながら買い増しを続けて、上昇した場合の『持たざるリスク』も回避していきたいと思います。
ではでは。
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